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インフラ運用とは?概要と5つのベストプラクティスについて解説!

インフラ運用とは?概要と5つのベストプラクティスについて解説!

情報システムを支える重要な役割を担うインフラ運用。
しかし、その概念や重要性、実践方法などを理解されていない人も多いのではないでしょうか?
また、セキュリティの脅威やクラウドの普及など、インフラ運用に関わる環境も変化しています。
こうした状況下で、インフラ運用を正しく理解し、最適な方法で実践することは、情報システムの安定性や生産性を確保する上で欠かせません。

本記事では、インフラ運用の概念や重要性、そして実践する上でのベストプラクティスについて解説します。
インフラ運用におけるベストプラクティスについて、紹介しますので
本記事を読むことで、インフラ運用の概念や必要性を理解し、最適な実践方法を知ることができるでしょう。
インフラ運用に携わる情報システム部門の方、必読です!

目次[非表示]

  1. 1.インフラ運用とは何か
  2. 2.インフラ運用と保守の違い
  3. 3.インフラ運用の重要性
  4. 4.インフラ運用における5つのベストプラクティス
    1. 4.1.自動化の導入
    2. 4.2.セキュリティの強化
    3. 4.3.クラウドの活用
    4. 4.4.モニタリングの徹底
    5. 4.5.人材育成
  5. 5.まとめ


インフラ運用とは何か

インフラ運用とは企業が保有するITインフラストラクチャを運用することです。
具体的には、サーバーやネットワーク機器、ストレージなどのハードウェアや、OSやミドルウェア、アプリケーションソフトウェアなどのソフトウェアを運用することが含まれます。


インフラ運用は、これらのシステムを効率的かつ安定的に運用することで、企業のビジネスを支援する重要な役割を担います。


インフラ運用と保守の違い

インフラ運用と密接に関連している業務に、保守があります。
インフラ運用と保守については、多くの場合同じような意味合いで使用されることがありますが
より広い意味で考えると、違う概念です。

インフラ運用は、コンピューターシステムの基盤となるハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなどのインフラストラクチャを管理することを指します。
インフラ運用の目的は、システムの高可用性、スケーラビリティ、セキュリティ、パフォーマンスを維持し、サービス提供に必要なリソースを最適に活用することです。

一方で保守は、システムや機器を正常に動作させるための手段や作業のことを指します。
具体的には、定期的な点検やメンテナンス、故障発生時の修理、アップグレードや更新などが含まれます。
保守には予防保全や緊急対応などの観点があり、インフラ運用において保守は欠かせない作業の一つです。

簡単に言うと、インフラ運用はシステム全体の管理と最適化、保守はシステムや機器を正常に維持するための手段や作業を指します。
そのため、インフラ運用チームはシステムの稼働状態を維持し、問題が発生した場合には迅速に対応することが求められ、保守チームはシステムの維持や改善に関する作業を行い、長期的な観点でシステムの寿命を延ばすことが求められます。


インフラ運用の重要性

企業にとってインフラ運用はなぜ重要なのでしょうか。
それは、インフラ運用は企業にとって欠かせない要素の一つだからです。

一度インフラに問題が生じると、それがビジネスに深刻な影響を与えることがあります。
例えば、サーバーやネットワーク機器がダウンしてしまった場合、社員の業務が停止してしまったり、顧客に対するサービス提供ができなくなったりすることがあります。

このような事態を回避するためにも、インフラ運用には万全の対策が求められます。
トラブルが発生した場合でも、早期発見・早期対応できるような体制を整備することが必要です。

また、インフラ運用がビジネスに与える影響は大きく、適切なインフラ運用によって企業の生産性を向上させたり、競争力を高めたりすることができます。


インフラ運用における5つのベストプラクティス

インフラ運用の重要性が分かったところで、インフラ運用におけるベストプラクティスを紹介します。
インフラ運用におけるベストプラクティスとしては、以下のような方法や技術、ポイントが挙げられます。

・自動化の導入
・セキュリティの強化
・クラウドの活用
・モニタリングの徹底
・人材育成

ひとつひとつ詳細を解説します。

自動化の導入

インフラ運用では、手動で行う作業が多くあります。
これらの作業を自動化することで、人的ミスを減らし、作業時間を短縮することができます。
他にも、自動化された作業は常に同じ手順で実行されるため、作業の再現性が高くなるといったメリットもあります。

自動化によって実現できる効果的なインフラ運用の実例としては、以下のようなものが挙げられます。

パッチ適用作業の自動化:
定期的に行われるセキュリティパッチの適用作業を自動化することで、手作業によるミスを防止し
安全かつ迅速な適用作業を実現できます。

モニタリングの自動化:
自動化ツールを使用して、システムやアプリケーションの稼働状況や性能を監視することができます。
異常が発生した場合は、自動でアラートが発報されるため、早期の対応が可能です。

サービス展開の自動化:
サービスのデプロイ作業を自動化することで、開発から本番環境への展開までの時間を短縮できます。
また、手作業によるミスを防止し、展開作業の正確性を向上させることができます。

これらのように、自動化によってインフラ運用を効果的に行うことができます。

また、自動化ツールには、様々な種類があります。
以下に代表的な自動化ツールを紹介します。


Ansible:
システム構成の自動化に利用されるツールで、SSHを利用してリモートマシンにコマンドを送信します。

Puppet:
サーバーの構成管理を自動化するためのツールで、DSL(Domain Specific Language)を使用して
システムの設定を記述します。

Chef:
システムの構成管理に利用されるツールで、RubyをベースにしたDSLを使用して
システムの設定を記述します。

Terraform:
クラウドインフラストラクチャの構築を自動化するためのツールで、コードを使用して
インフラストラクチャの構成を管理します。

上記のような自動化ツールを選定する際には、実現したい機能、学習コスト、拡張性などを考慮する必要があります。
また自動化に必要な技術やツールを導入するためには、適切な知識やスキルが必要となってきます。

セキュリティの強化

インフラ運用におけるセキュリティの重要性は非常に高く、情報漏洩やシステムへの不正アクセス、データ破壊等、セキュリティに対する脅威が増加している現代においては特に重要な問題となっています。

インフラ運用におけるセキュリティの定義
インフラ運用におけるセキュリティとは、システムの可用性、機密性、完全性を確保するために必要な対策のことを指します。
可用性とは、サービスやシステムが稼働し、必要なときに利用できること
機密性とは、機密情報が不正に見られたり、盗まれたりすることを防ぐこと
完全性とは、データやシステムが正確であることを保証することを指します。

詳しくはこちら「情報セキュリティの3要素(CIA)&4つの新要素を解説!」

インフラ運用における脅威とセキュリティ対策の必要性
インフラ運用における脅威は、コンピュータウイルス、ハッカー、マルウェア、フィッシング詐欺等、様々な形態があります。
これらの脅威に対して、適切な対策を講じることが必要です。
セキュリティ対策には、パッチ適用や脆弱性スキャン、ログ管理、アクセス制限等が含まれます。

インフラ運用におけるセキュリティの具体的な対策
セキュリティの具体的な対策としては、ファイアウォールの導入やログの記録、脆弱性スキャン、パスワードの管理や設定変更の定期的な実施、システムの定期的なバックアップ、データ暗号化等があります。
また、セキュリティに関するトレーニングやセキュリティポリシーの策定等も重要な要素となります。

以上のように、インフラ運用におけるセキュリティ対策は非常に重要であり、様々な手法やツールが必要となります。
適切な対策を講じることで、システムのセキュリティを高めることができます。


クラウドの活用

クラウドを活用することで、インフラ運用をより効率的かつ柔軟にすることができます。
クラウドを活用したインフラ運用とは、オンプレミス環境ではなく、インターネットを介して提供されるクラウドサービスを利用して、システムやアプリケーションを運用することです。
クラウドサービスは、インフラストラクチャやプラットフォーム、ソフトウェアなど、さまざまな種類があります。

クラウドを活用するメリットと注意点
クラウドを活用することで、インフラ運用に以下のようなメリットがあります。

スケーラビリティの向上:
必要に応じて、サーバやストレージなどのリソースを簡単に増減できます。

コスト削減:
 ハードウェアやソフトウェアの購入やメンテナンスなど、運用に必要なコストを削減できます。

高い可用性と信頼性:
 クラウドサービスは、複数のデータセンターでの冗長化や負荷分散、自動復旧機能など
 高い可用性と信頼性を実現しています。

一方で、クラウドを活用する上で注意すべき点としては、以下のようなものがあります。

セキュリティの確保:
クラウドサービスを利用することで、セキュリティ上のリスクが高まる場合があります。

コンプライアンスの確保:
クラウドサービスの利用には、規制や法令を遵守する必要があります。

依存度の高さ:
クラウドサービスを利用すると、サービス提供者に依存することになるため
サービス提供者の問題が自身の運用に影響を与える可能性があります。

クラウドを活用したインフラ運用の成功例
クラウドを活用したインフラ運用の成功例については、以下のようなものがあります。

Netflix:
Netflixは、AWS(Amazon Web Services)を活用したインフラ運用により、システムの高可用性やスケーラビリティを実現しています。AWSの機能を活用して自動スケーリングや冗長化を行い、ユーザー数の急増にも対応できるようにしています。

Dropbox:
Dropboxは、Google Cloud Platform(GCP)を活用したインフラ運用により、大量のデータの保存や共有を実現しています。GCPの機能を活用して、セキュリティや可用性を確保し、高速で信頼性の高いサービスを提供しています。

Spotify:
Spotifyは、Google Cloud Platform(GCP)を活用したインフラ運用により、音楽ストリーミングサービスを提供しています。GCPの機能を活用して、自動スケーリングや冗長化を行い、高可用性やパフォーマンスの向上を実現しています。

これらの例からもわかるように、クラウドを活用したインフラ運用には、高い可用性やスケーラビリティ、セキュリティ強化などのメリットがあります。
ただし、適切な設計や運用が必要であること、クラウドサービスの選択やコスト面での注意が必要であることなども認識しておく必要があります。


モニタリングの徹底

インフラ運用におけるモニタリングとは、システムやネットワークなどのインフラストラクチャの状態を監視することです。
モニタリングによって、問題が発生した場合にすばやく対応することができます。
また、システムの稼働状況を把握することにより、負荷分析や容量計画、障害原因の特定などにも役立ちます。

モニタリングの方法、ツール
モニタリングには、サーバやネットワーク機器などを監視するためのツールが利用されます。
ツールの選定には、監視対象のインフラストラクチャや監視する項目、必要な精度や機能、導入コスト、運用コストなどを考慮する必要があります。
一般的には、Zabbix、Nagios、Datadog、AWS CloudWatchなどのツールが利用されます。

モニタリングによって得られるインフラ運用の改善策や課題解決の具体例
モニタリングによって得られる情報は、インフラストラクチャの改善策や課題解決のための情報として活用できます。
たとえば、サーバのCPU使用率が高い場合は、負荷分散の見直しや不要なプロセスの削除などの対策が考えられます。
また、ネットワークの障害が発生した場合は、ネットワークのトポロジーを見直すことで解決することができます。モニタリングによって得られた情報を分析し、問題解決につなげることが重要です。

人材育成

インフラ運用において、高度な技術力や知識が必要とされます。
そのような高度な技術力、知識を持った人材を育成することでインフラ運用の安定化に大きく貢献します。

インフラ運用に必要なスキルや知識
インフラ運用に必要なスキルや知識には、ハードウェアやネットワーク、オペレーティングシステムやデータベースなどの技術知識、セキュリティやバックアップ・復旧などの運用知識が必要があります。

人材の育成方法やトレーニングプログラムの作り方
インフラ運用に必要なスキルや知識を習得した後は、実践的なトレーニングを行い、経験を積むことが重要です。トレーニングプログラムを作成する際には、実際に使用するハードウェアやソフトウェアを用いたシミュレーションや実験環境の構築、上級者からのアドバイスや指導などが効果的です。

人材育成によって実現できる効果的なインフラ運用の具体例
人材育成によって実現できる効果的なインフラ運用の例としては、以下のようなものがあります。

・ハードウェアのメンテナンスやトラブルシューティングのスピードアップ
・セキュリティ対策の強化や、情報漏洩やデータ破損などのリスクの軽減
・レスポンスの早いシステム運用による顧客満足度の向上
・継続的な運用改善による運用コストの削減

以上のように、人材育成はインフラ運用において非常に重要な役割を果たします。
適切なスキルや知識の習得と、実践的なトレーニングの実施を通じて、効率的で安全なインフラ運用が実現できるように取り組んでいきましょう。

まとめ

本記事では、インフラ運用について概要や重要性、そしてベストプラクティスについて解説しました。
インフラ運用は、システムやサービスを安定的かつ効率的に提供するための極めて重要な役割を担っています。
そして、ベストプラクティスの導入によって、インフラ運用の品質や生産性を向上することができます。
しかし、今日でも多くの企業や組織は、インフラ運用において課題を抱えています。
例えば、手動作業の多さやセキュリティ対策の不備、モニタリングの不十分さ、人材の不足などが挙げられます。
これらの課題を放置すれば、システムの停止や情報漏洩、サービス品質の低下などの重大な問題を引き起こす可能性があります。

したがって、企業や組織は、インフラ運用において、自動化の導入やセキュリティ対策の強化、クラウドの活用、モニタリングの徹底、人材育成などのベストプラクティスの導入を検討することが重要です。

また、インフラ運用の改善に向けて一部のインフラ運用を外部に委託するなども有効な手段です。
これらの取り組みによって、インフラ運用の品質と生産性を向上させ、サービスの安定的な提供を実現することができます。

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※この記事は、公開時点の情報をもとに作成しています。


加藤 博恵
加藤 博恵
営業兼ひよっこライター。 アイエスエフネットへはエンジニアとして入社し、新卒入社2年目からは営業を担当。 「〇〇って最近トレンドらしいけど、よく分からんなぁ~」というモヤモヤを、スッキリ!に変えるコンテンツをシェアできるよう心がけてまいります! 座右の銘は「置かれた場所で咲きなさい」

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