
ITエンジニアに英語力は本当に必要?具体的な理由を徹底解説!
IT業界のグローバル化が加速する中、日本のエンジニアには「英語力」がますます求められています。
かつては国内市場向けの開発が中心だった企業も、いまでは海外との連携や国際プロジェクトへの参加が当たり前になっています。
こうした状況下では、英語を使いこなせるITエンジニアの存在が、企業の成長と競争力を左右する重要な要素になってます。
さらに、EF Education Firstの2024年英語力調査では日本が116か国中92位(Low)と報告されており、英語による技術情報の読み書きに課題が残る現状が示されています。
※引用:EF English Proficiency Index 2024|EF Education First
また、JETROの2024年調査では「外国語対応が難しい」が企業の外国人材活用における最大の課題(59.4%)として挙げられており、英語対応は現場レベルを超えた経営課題であることがわかります。
※引用:外国人材の受入れ・共生に関するアンケート調査(2024年)|日本貿易振興機構(JETRO)
英語力は単なる語学スキルではありません。
プログラミング言語や技術ドキュメントの読解、多国籍チームとのコミュニケーション、最新技術のキャッチアップ、さらにはグローバル案件への対応まで、日々の業務を前進させるための実務スキルです。
本記事では、「ITエンジニアに英語力は本当に必要なのか?」という問いに対し、英語が求められる具体的な場面、英語力がもたらすメリット、そして効率的に英語スキルを身につける方法を解説します。
グローバルに活躍したいエンジニアや、海外案件に挑戦したい企業担当者、これから英語学習をはじめる方にとって、実践的なヒントをお届けします。
目次[非表示]
- 1.ITエンジニアと英語の関係性
- 1.1.英語がIT業界の共通言語である理由
- 1.2.英語を求められる具体的な場面
- 1.3.英語を使うエンジニアの種類と職域
- 2.英語力を持つITエンジニアのメリット
- 2.1.年収とキャリアのチャンスが広がる
- 2.2.最新技術にいち早くアクセスできる
- 2.3.海外案件・リモートワークへの対応力
- 2.4.外国人チームとのスムーズな連携
- 3.英語力が必要になる場面とは?
- 4.ITエンジニアが英語を身につけるための勉強法
- 4.1.技術系の英語教材から始める
- 4.2.GitHubや技術ドキュメントを「英語のまま読む」習慣をつける
- 4.3.オンライン英会話やアプリで「話す」環境をつくる
- 4.4.英語ニュースや技術系メディアをながら見・ながら読み
- 5.まとめ|英語力で広がるエンジニアの可能性
ITエンジニアと英語の関係性
英語がIT業界の共通言語である理由
IT業界では、英語が共通語として使われることが一般的になっています。
理由のひとつは、プログラミング言語や技術用語の多くが英語で構成されている点です。
たとえば「if」「else」「function」といった基本的な構文はすべて英語であり、公式ドキュメントやチュートリアル、ライブラリの説明もほとんどが英語で書かれています。
さらに、オープンソースプロジェクトや最新の技術情報、研究論文も英語で公開されるのが主流です。
それらを活用するには、英語の読解力が欠かせません。
また、外資系企業や海外市場に展開する日本企業の多くでは、英語が社内の共通言語として採用されています。
こうした状況を踏まえると、英語力の有無がプロジェクトに参加できる範囲やキャリア形成の可能性を大きく左右すると言えます。
英語を求められる具体的な場面
英語が必要になる場面は、ITエンジニアにとって想像以上に多くあります。
まず代表的なのは、技術ドキュメントや公式マニュアルを読むときです。
製品の正しい使い方や設定方法、バグの修正方法を調べる際には、英語の原文に頼ることがほとんどです。
次に、システムエラーやログ解析の場面です。
「NullPointerException」や「Access Denied」など、エラーメッセージは英語で表示されるのが基本です。その意味を正しく理解できるかどうかは、トラブル解決のスピードに直結します。
また、海外の開発チームとの打ち合わせや、グローバルカンファレンスへの参加など、実践的な英語コミュニケーションが求められる場面も増えています。
最近では、リモートワークの浸透により、SlackやZoom、メールなどで英語を使う機会もさらに多くなりました。
英語を使うエンジニアの種類と職域
英語を日常的に使っているエンジニアは、職種によってその使い方が異なります。
たとえば、ソフトウェア開発に携わるデベロッパー(developer)や、技術サポートを担うテクニシャン(technician)は、コードやドキュメントなどを英語で読み書きするのが日常です。
一方で、海外のクライアントとやり取りするITコンサルタントやプロジェクトマネージャーであれば、会議のファシリテーションや議事録、提案書などを英語でまとめる場面が多くなります。
また、システムエンジニアやネットワークエンジニアのように、国際的な規格(ISO)やセキュリティ要件に関わる職種では、英語で定義されたガイドラインや技術仕様を読み解くスキルが欠かせません。
このように、エンジニアの専門分野を問わず、英語は多くの職種にとって「使えたほうがいい」ではなく、「なくては困る」スキルになりつつあります。
英語力を持つITエンジニアのメリット
年収とキャリアのチャンスが広がる
英語ができるエンジニアは、年収やキャリアの選択肢を大きく広げることができます。TokyoDev 2024年調査によると、日本在住の英語対応可能な開発者の年収中央値は約850万円であり、日本のソフトウェア開発者全体の平均と比較しても高い傾向が見られます。
※引用:The 2024 TokyoDev Developer Survey Results|TokyoDev
外資系企業や海外案件への参画も現実的になり、高単価かつ高度なスキルを求められるポジションに挑戦できるようになります。
実際に、英語力を採用基準の一つとして明示している企業では、給与レンジが国内企業より高めに設定されているケースが多く、語学力そのものが市場価値として評価されています。
さらに、職務経歴書やポートフォリオを英語で公開すれば、海外企業や外資系企業からのオファーが増加し、自身のスキルを国境を越えて発信できる機会が拡大します。
最新技術にいち早くアクセスできる
IT業界で「最速の情報」は、たいてい英語で発信されています。
プログラミング言語の公式ドキュメントや技術ブログ、オープンソースのリリースノート、そして海外のカンファレンス資料など、一次情報の多くは英語が標準です。
DevOps Research and Assessment (DORA) の2023年報告では、「高品質なドキュメントはチームパフォーマンスを25%以上向上させる」と指摘されています。
つまり、英語で公開される技術資料を直接理解できることは、個人だけでなく組織全体の生産性向上にも直結するのです。
※引用:Quantifying the Impact of Documentation: Findings from DORA Research|Write the Docs
英語を読めるというだけで、翻訳を待たずに最新情報を取り入れることができ、技術面でも周囲に差をつけやすくなります。
特にスタートアップやAI、Web3などの先端分野では、情報が発信された直後に行動に移せることが大きな強みになります。
海外案件・リモートワークへの対応力
英語力があると、仕事の舞台は大きく広がります。
グローバル案件の多くは英語を共通言語としており、クライアントとのやり取りや要件定義の場面でも英語が求められます。
さらに、リモートで海外のチームと働く機会も増えています。
Stack Overflow Developer Survey 2024によれば、リモート勤務が38%、ハイブリッド勤務が42%と報告されており、国境を越えたチームとの協働が標準化していることがうかがえます。
※引用:Developer Survey 2024|Stack Overflow
このような環境下では、時差や距離に縛られることなく、海外企業とフリーランス契約を結んだり、グローバルなSaaSプロダクトの開発に参加したりする働き方も現実的な選択肢になります。
「英語ができる=国内外を問わずキャリアを選べる」という状況は、結果として報酬や働き方の自由度を大きく高めることにつながります。
外国人チームとのスムーズな連携
国際的なプロジェクトでは、英語を使ったやりとりが日常になります。
Slackでの報告、Zoomでのディスカッション、技術レビューや進捗共有のドキュメント作成、こうした場面でスムーズに英語を使える人は、自然と頼れる存在として認識されます。
単に会話ができるだけではなく、誤解なく伝える・空気を読む・適切な表現を選ぶといった英語でのコミュニケーション力は、チーム全体の生産性を左右するほど重要です。
結果として、「この人に任せれば大丈夫」と信頼される機会が増え、リーダーや橋渡し役としてのポジションを任されることも少なくありません。
英語力が必要になる場面とは?
ITエンジニアとして働く中で、「英語が必要な瞬間」は想像以上に多くあります。
その理由はシンプルで、ITという業界そのものがグローバル前提で動いているからです。
プログラミング言語も技術情報も国際会議も、英語をベースに成り立っています。
つまり、英語ができることは「海外向けの仕事ができる」というだけでなく、日々の業務をスムーズに進めるための実務スキルでもあるのです。
ここでは、エンジニアが実際に英語を使う具体的な場面を紹介します。
プログラミング言語や技術ドキュメントを読むとき
プログラミング言語の構文は、ほぼすべてが英語ベースです。
「if」「else」「try」「catch」など、書いているコードそのものが英語ですし、学習に使うドキュメントやチュートリアルも、英語で書かれているものが圧倒的に多いです。
特に、最新のフレームワークやライブラリを使う場面では、英語の公式ドキュメントに頼らざるを得ません。
このとき英語に慣れていないと、学習のスピードや理解度に差が出てしまいます。
エラーやログを見て原因を探すとき
開発や運用の現場では、エラーメッセージやログとの格闘が日常です。
そしてこれらは基本的に、英語で出力されます。
「NullPointerException」や「ConnectionTimeout」など、よく見るエラーも、単語の意味だけでなく、その背景にある文脈を理解する必要があります。
英語が読めれば、そのまま検索してStack Overflowなどから答えを見つけやすくなり、対応スピードにも大きく差がつきます。
海外カンファレンスやセミナーに参加するとき
技術トレンドを把握するうえで、海外のカンファレンスは非常に有益です。
「AWS re:Invent」や「Google I/O」など、世界規模のイベントでは最新の技術が最前線で発表されます。
講演や資料はすべて英語で提供されるため、英語を理解できるかどうかで得られる情報量が大きく変わります。
さらに、現地に行かなくてもYouTubeや公式サイトを通じて英語の情報が発信されているため、英語の理解度が技術の吸収スピードに直結します。
英語を理解できるエンジニアは、こうした最先端の情報をいち早く取り込み、実務に応用できる強みを持つことになります。
メールやチャットでのやりとり
グローバルに展開するプロジェクトでは、英語でのコミュニケーションが必要になる場面が増えています。
たとえば、Slackでのやり取り、メールでの進捗報告、トラブルの共有などです。
「文法が正しいかどうかよりも」より「文法の正確さよりも」の方が簡潔で自然です。「問われます」より「重視されます」の方が、より客観的な表現になります。
ここで自信を持ってやりとりができれば、信頼されやすくなり、より重要な仕事を任される可能性も広がります。
ITエンジニアが英語を身につけるための勉強法
英語力は、ITエンジニアにとって技術成長とキャリアアップの両方に直結する武器です。
とはいえ、「何から始めればいいのか」「どうやって続ければいいのか」と悩む人も多いはず。
ここでは、現場で役立つ英語を効率よく身につけるための、実践的な学習法を紹介します。
技術系の英語教材から始める
まずは、ITエンジニア向けにつくられた英語教材を選ぶことが効果的です。
一般的な英会話教材ではカバーしきれない部分も多く、開発現場で実際によく使う単語や表現に特化した教材を使うことで、学んだ内容をすぐに仕事に活かすことができます。
たとえば、『ITエンジニアのための英語入門』や『プログラマの英単語帳』といった教材には、設計書やエラー対応、仕様確認の場面で役立つ実務的なフレーズが豊富に掲載されています。
自分の業務に直結する英語から学ぶことで、学習のモチベーションも保ちやすくなります。
GitHubや技術ドキュメントを「英語のまま読む」習慣をつける
英語を勉強するというより、英語で読むのが当たり前という感覚に慣れていくことが重要です。
GitHubのREADME、Issue、Pull Request、公式ドキュメント──これらはすべて英語で発信されています。
実際のコードに登場する変数名やコメント、コミットメッセージなども、英語を使った自然な表現が多く、リアルな語彙を身につけるには絶好の教材です。
「わからない単語が出たら調べる」を繰り返すだけでも、自然と英語の読解力がついていきます。
オンライン英会話やアプリで「話す」環境をつくる
英語は読めるだけでなく、相手に伝えられる力を持つことが重要です。
そのために活用したいのが、オンライン英会話や英語学習アプリです。
「Cambly」や「NativeCamp」では、IT分野に理解のある講師が在籍しており、技術用語を交えた会話練習ができます。
フリートークに抵抗がある場合は、あらかじめ「Dockerについて説明する」などテーマを設定して取り組むと効果的です。
また、アプリを利用する方法も有効です。
「Duolingo」や「HelloTalk」はスキマ時間に継続的に学習でき、着実に力を積み重ねることができます。
学習を義務と考えるのではなく、日常の習慣として取り入れることが継続のポイントです。
英語ニュースや技術系メディアをながら見・ながら読み
英語に触れる時間を増やすためには、日常の中に英語を取り入れることが効果的です。
TechCrunch、Hacker News、Mediumといった技術系メディアをブックマークしておけば、ちょっとした空き時間にも情報収集ができます。
YouTubeを活用する方法も有効です。
「Fireship」「Traversy Media」「The Net Ninja」などのチャンネルを流しておくだけでも、耳が自然に英語に慣れていきます。
最初からすべてを理解する必要はありません。
興味のあるトピックを中心に、聞いたり読んだりする習慣を続けることで、英語への抵抗感も徐々に薄れていきます。
この積み重ねが、結果として大きな理解力の向上につながります。
まとめ|英語力で広がるエンジニアの可能性
英語が読める・使えるだけで、成長スピードは大きく変わる
ITエンジニアにとって、英語はもはや「できたら便利なスキル」ではなく、「仕事を前に進めるためのツール」です。
EF EPI 2024での日本のランキング(116か国中92位)や、Stack Overflowが示すリモート/ハイブリッド比率の高さは、英語が技術成長だけでなく働き方そのものを支える基盤になりつつあることを物語っています。
プログラミング言語そのものが英語で書かれ、最新の技術情報、世界の開発動向、オープンソースのトレンド、それらの多くが英語で発信されています。
つまり、英語が読めるだけで学べることが何倍にも増え、使いこなせるようになれば、国際プロジェクトでもチームの中心人物として活躍できます。
英語力は、技術の理解・業務効率・キャリアの広がり、すべてに直結します。
小さな行動が、未来の選択肢を変えていく
「英語が必要」と感じていても、完璧を目指す必要はありません。
大切なのは、現在の業務に直結する部分から、一歩踏み出すことです。
具体的には、次のような取り組みが有効です。
- 技術系の英語教材を一冊読む
- GitHubのREADMEを英語のまま読む習慣をつける
- オンライン英会話で「自分の業務内容を英語で説明」してみる
- 通勤中に英語の技術系YouTubeを聞き流す
こうした小さなアクションを積み重ねることで、英語に対する苦手意識が薄れていきます。
継続して取り組むうちに、気づけば「英語を使えるエンジニア」という強みを身につけられるようになります。
英語ができれば、キャリアも収入も働き方も自由になる
英語スキルを持つことで、海外案件やリモートワーク、外資系企業など、キャリアの選択肢は大きく広がります。
実際に、英語が使えることで単価の高い案件や重要なポジションを任される機会が増えています。
さらに、多国籍チームのプロジェクトでは、英語が話せるエンジニアが橋渡し役やリーダーとして重宝される傾向が強く見られます。
その結果、信頼や責任が伴い、評価も自然と高まっていきます。
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