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モダンマネジメントでPCキッティングから解放される!

PCを新しくしたり、新入社員に配布する際に必ず発生するPC設定の為のキッティング作業は、効率化を図る為に様々な技術や工夫がされてきましたが、それでも少なくない手間をかける場合が多いと思われます。

今回はMicrosoftのIntune(※1)やVMwareのWorkspace ONE(※2)等のクラウドサービスで提供されるモダンマネジメントの環境を利用すれば、大幅にキッティングの手間を削減できるどころか、ほぼ作業を必要としなくなるメリットについて紹介させて頂きます。


目次[非表示]

  1. 1.従来のキッティング
  2. 2.モダンマネジメントによるキッティング
  3. 3.メリットとデメリット
  4. 4.まとめ

従来のキッティング

従来は手作業にて多くの工数をかけてPCのキッティングが行われてきました。
例えば一般的なマスターイメージを使用したキッティングですと、以下のような工程で行われます。

  1. 大元となるマスターPCを作成して検証
  2. マスターPCからマスターイメージの抽出
  3. マスターイメージを使用してキッティング対象のPCにOSインストール
  4. 各PC毎の設定やアプリのインストール
  5. ユーザー利用開始

このようにマスターイメージを作成してしまえば、共通の設定を自動的に各PCに設定できるようになったとはいえ、マスターイメージからOSインストールの作業や各PC毎の設定等、手動での作業を必要とすることがあります。

また、マスターイメージはPCの機種に依存している為、キッティング対象の機種が数種類あると、それぞれの機種毎のマスターイメージの作成が必要となり、その分工数の発生や機種選びの制限が出てきてしまいます。

マスターイメージを使用したキッティングを例に挙げましたが、マスターイメージを作成せずにOSのインストールから各種設定を手動で行った場合はキッティングするPCの台数だけ手間がかかってしまいます。

モダンマネジメントを利用するとこれらの従来のPCキッティング方法で発生していた工数や制限を大幅になくすことができるようになります。


モダンマネジメントによるキッティング

モダンマネジメントのサービスを利用してのPC設定は以下の流れになります。

  1. クラウド上にPC設定と配布するアプリを記したプロファイルを作成
  2. プロファイルにユーザーとPCを登録
  3. ユーザーがPCにログインするとクラウドから自動的に設定とアプリが反映される

事前にクラウドでの設定さえ行っていれば、ユーザーが新しく使用するPCにて「電源オン」、「インターネット接続」、「ログイン」を行うだけで必要な設定やアプリが自動的に反映される為、マスターイメージを流したり各種設定を行ったり等の手動で行う工程が大幅になくなります。

ここで繋ぐインターネットとは社内のネットワークではなく、社内外問わず自宅なども含めたインターネット全てが対象になります。

このように自動キッティングされるとは言っても事前にクラウド上でのプロファイル作成等の準備は必要です。
しかし、クラウド上にて以下のような設定を一度行ってしまえば、新たなPCをクラウド上に登録するだけで必要な設定やアプリが自動で反映されるようになる為、新しいPCを用意するたびマスターイメージを使用して手動での作業が必要だった従来のキッティングと比べて大幅に工数が削減されます。

  1. PC設定を記したプロファイルを作成
  2. 配信したいアプリを登録
  3. 作成したプロファイルやアプリにPC設定の違う部署毎等で作成したユーザーまたはデバイスのグループに割り当てる
  4. それぞれのユーザーやPC毎に必要な設定やアプリを配信することができるようになる

例えばあるユーザーがPCを壊してしまって新しい別の機種のPCを使用する際は、新規のプロファイル等をクラウド上で作成する必要や手動でのキッティングは必要なく、新たなPCをクラウド上に登録さえしてしまえば、電源投入、インターネット接続、ログインを行うだけで壊してしまったPCと同様の設定やアプリが反映されるようになります。

新入社員にPCを配布する際も、事前に新入社員のアカウントを作成済みの部署のグループに割り当ててしまえば、自動的にその部署の別のユーザーと同様の設定が反映されるようになります。

また、マスターイメージを使用してのキッティングとの大きな違いとして、今まではPCの機種毎にマスターイメージの作成が必要でしたが、クラウド上で作成したプロファイルは基本的に同じOSのものであれば使いまわすことができる為、機種の制限やいくつもプロファイルを作成する手間がなくなります。

以上がモダンマネジメントのサービスを使用してのキッティングになりますが、これらの操作はウェブブラウザからクラウドにアクセスして行うことができます。管理者の方が出社する必要なくインターネットが接続できる環境であればどこでも操作と管理が行えます。

メリットとデメリット

これまで説明させて頂いたモダンマネジメントでのキッティングのメリットをまとめると以下となります。


 メリット

  • 手動でのキッティングが必要なくなる。
  • 一度作ったPC設定を機種に関係なく使いまわせる為、次回作成の必要がなくなる。
  • 社内外問わずにリモートでPC設定と管理が行える。

これだけのメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。

 デメリット

  • PCを手動設定するよりも設定できる項目が少ない。
  • 全てのアプリを配信できるわけではない。
  • ネットワーク環境に影響される。

上記の3つのデメリットについて解説させて頂きます。

まず、クラウド上でPC設定のプロファイルを作成する上で基本的な設定項目は多く用意されていますが、手動でのPC設定と比べると現在用意されている設定項目は少ないのが現状です。
スクリプト(※3)を自動配信してPC設定を行う機能もあるので、用意されていない設定を補うことも可能ですが、コマンド知識や動作の検証が必要になります。

しかし、用意されている設定項目が絞られていることで、手動でのPC設定のように複雑化せず、管理がしやすいというメリットもあります。
なによりもモダンマネジメント一番の目的は社内外問わずデバイスを管理することだなので、社外利用時に必要な設定さえできていれば問題ないことが多いかと思われます。

次に、様々な形式でアプリ配信を行えますが、全てのアプリを配信できるわけではなく、例えばIntuneで.exe形式のインストーラーを配布する際は自動インストールのコマンドの用意が必要であったりと条件があったりと、アプリの仕様に左右されます。

また、アプリインストール時に設定を行うコマンドやツール、既に設定済みのアプリの配信が可能であれば問題ありませんが、アプリ自体の設定はユーザー自身で行う必要が出てくる可能性もあります。

しかし、従来のSCCM(※4)等の社内アプリ配信ツールで配信出来ていたようなアプリは、社内配信をサポートするようなコマンドやツールが用意されていることが多い為、メーカーに確認してみるといいでしょう。

最後に、インターネットを利用してクラウドからPC設定のプロファイルやアプリを配信する性質上、接続しているネットワーク環境に依存してしまいます。
普段テレワークでビデオ通話や会議を行っているような環境であれば基本的には問題ないので、テレワークを行えるネットワーク環境というのが前提となってきます。

これらのように導入する環境によっては起こりうるデメリットですが、それらを補う以上のメリットがモダンマネジメントにはあります。

まとめ

今回はモダンマネジメントを利用するとPCのキッティングを大きく簡略化できるメリットについて紹介させて頂きました。

キッティングの自動化を行うに当たっては、現在のお客様システム環境と、社外のテレワーク環境下でどのような要件を必要とするかのバランスが重要となります。

「現在行っているキッティング作業を楽にしたい」
「モダンマネジメントでキッティングを楽にしたいけれどクラウドの設定がわからない」
「モダンマネジメント導入後のクラウド管理を行いたくない」
「キッティング自動化に合わせてPCの在庫管理もなくしたい」

などの要望がございましたら、モダンマネジメントの導入から運用、在庫管理まで幅広くサポートしております、弊社の「シンプルデバイス管理」のサービスを是非ご検討ください。


■注釈

※1:Intune:社内外のネットワークに囚われないデバイス管理の環境を提供するMicrosoft社のクラウドサービス。今回のモダンマネジメント環境で利用する。

※2:Workspace ONE:社内外のネットワークに囚われないデバイス管理の環境を提供するVMware社のクラウドサービス。今回のモダンマネジメント環境で利用する。

※3:スクリプト:PC操作や設定を行う際のコマンドを記述した文章やテキストファイル。

※4:SCCM:Microsoftの製品群System Center Configuration Managerの略。組織のPCを一括して管理、監視するための様々な機能を提供する。従来の社内ネットワークの環境で必要なアプリケーション配布等にも使用されている。​​​​​​​


※この記事は、公開時点の情報をもとに作成しています。


赤澤
赤澤
PCとネットワークの保守を経験し、現在はモダンマネジメントの技術提供を担当しています。 普段の検証や情報収集で気づいた技術的なことや陥りやすいことを記事にしていきます。

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