
情シスが取るべき資格5選!初心者におすすめの資格と選び方を解説
情シスに配属されて間もない方や、配属されて1年ほどが経ち、仕事に慣れ始めた方は、
「知識を身につけるために資格でも取っておこうかな」
と思う方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
しかしながら、調べれば調べるほど多くの資格があり、
「結局、どれを取ればいいのか、わからない……」
「そもそも、情シスの業務に資格って役立つの?」
こんなふうに頭を悩ませている方もいるのではないでしょうか?
IT系の資格には、IT全般を幅広く学べるものから、ネットワーク、サーバー、セキュリティ、クラウドなど特定の分野に特化したものまで、さまざまな資格があります。
そのため、「情シスだからこの資格を取れば間違いない!」というよりも、現在の自分の知識や担当している業務に合わせて資格を選ぶことが大切です。
そこで今回は、情シス初心者(1〜2年目)の方におすすめしたい5つの資格をご紹介します。
また、国家試験や民間資格、ベンダー資格の違いや、自分に合った資格の選び方についても解説していきます。
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情シスに資格って必要なの?
はじめに、情報システム部門(以下、情シス)に配属されたら、資格は必須なのでしょうか?
答えは「NO!」です。
医師や弁護士のように、資格がなければ業務を行えない職種ではないため、情シスとして働くために特定の資格を取得する必要はありません。
IT系の資格は、「この分野について一定の知識やスキルを持っています」ということを示すひとつの手段です。
そのため、現場で業務を行うために必要な知識やスキルをすでに持っているのであれば、資格取得そのものを目的にする必要はないでしょう。
しかしながら、情シスの業務は、一人ひとりの守備範囲が広いことが多いです。
たとえば、
- 社員が利用するPCやスマートフォンの管理
- 社内からの問い合わせ対応
- アカウントやIDの管理
- 社内ネットワークの管理
- サーバーの運用
- クラウドサービスの管理
- 情報セキュリティ対策
- 社内システムの導入・運用
など、幅広い業務を担当することがあります。
「ネットワークは分かるけど、セキュリティは自信がない……」
といったことも珍しくありません。
そこで役立つのが資格取得に向けた勉強です。
資格取得そのものをゴールにするのではなく、業務に必要な知識を体系的に学ぶ手段として利用することで、自分に不足している知識を補うことができます。
よって、資格取得は必須ではありませんが、情シスとして必要なIT知識に自信がない場合や、担当分野について体系的に勉強したい場合には、資格取得に向けて勉強することも有効な手段といえるでしょう。
IT系資格の種類
IT系の資格は、大きく分けると以下のような種類があります。
国家試験
民間資格
ベンダー資格
それぞれ特徴が異なるため、まずは違いを確認してみましょう。
国家試験
国家試験は、国の制度に基づいて実施される試験です。
IT分野では、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施する情報処理技術者試験がよく知られています。
代表的な試験には、
ITパスポート試験
情報セキュリティマネジメント試験
基本情報技術者試験
応用情報技術者試験
などがあります。*1
IT全般について体系的に学びたい場合には、こうした試験から自分の知識レベルに合ったものを選ぶとよいでしょう。
*1 出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「試験区分一覧」
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/list.html
民間資格
民間資格とは、民間団体や第三者機関などが認定している資格です。
たとえばLinuxに関する知識・スキルを認定するLPICなどがあります。
特定の製品に限定せず、特定分野について体系的に知識を身につけたい場合などに役立ちます。
ベンダー資格
ベンダー資格とは、IT製品やサービスを提供している企業が、自社製品などに関する知識やスキルを認定する資格です。
たとえば、
- CiscoのCCNA
- AWSのAWS認定
- Microsoftの認定資格
などがあります。
ベンダー資格は特定の製品・サービスについて実務に近い知識を学べることが特徴です。
そのため、自社で利用している製品や、自分が担当しているシステムに合わせて選ぶと、学習した内容を実務へつなげやすいでしょう。
情シス初心者におすすめの資格5選
情シスに資格取得は必須ではないものの、知識に不安がある場合は資格取得に向けて勉強することも有効だと上述しました。
では、どのような資格を取得すればよいのでしょうか?
情シスにはじめて配属された方や、業務に少し慣れてきた方におすすめしたい資格は以下の5つです。
- 基本情報技術者試験
- 情報セキュリティマネジメント試験
- CCNA
- LPIC-1
- AWS Certified Solutions Architect - Associate
ただし、この5つをすべて取得する必要はありません。
まずはIT全般やセキュリティについて学び、その後、自分の担当業務に合わせて専門的な資格を選ぶとよいでしょう。
ITの基礎を幅広く学ぶ「基本情報技術者試験」
まず1つ目は、基本情報技術者試験です。
基本情報技術者試験は、IPAが「ITエンジニアの登竜門」と位置づけている国家試験です。*2
コンピューターシステム、ネットワーク、データベース、セキュリティ、アルゴリズムなど、ITに関する幅広い知識・技能が問われます。
情シスの業務は非常に幅広いため、特定分野だけではなくIT全般について基礎知識を持っていることが重要です。
たとえば、社員から、
「PCから社内システムにつながらない」
と問い合わせがあった場合でも、原因はPCだけにあるとは限りません。
ネットワーク、DNS、認証、サーバー、アプリケーションなど、さまざまな原因が考えられます。こうした問題を切り分けるためにも、IT全般について幅広い基礎知識を身につけておくことが役立ちます。
現在の基本情報技術者試験は、CBT(Computer Based Testing)方式によって随時実施されています。
試験は科目Aと科目Bで構成されており、科目Aは90分・60問、科目Bは100分・20問です。*2
以前のような春期・秋期のみの試験ではないため、比較的自分のスケジュールに合わせて受験計画を立てやすくなっています。
「情シスとしてまずIT全般の基礎を固めたい」
という方は、取得を検討してみるとよいでしょう。
*2 出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「基本情報技術者試験」
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/fe.html
セキュリティの基礎を身につける「情報セキュリティマネジメント試験」
2つ目は、情報セキュリティマネジメント試験です。
情シスにとって、セキュリティは切っても切れない関係にあります。
社員が利用するPCやアカウント、社内システムなどを管理している以上、「セキュリティは専門部署に任せればいいや」というわけにはいきません。
情報セキュリティマネジメント試験では、情報セキュリティ全般だけでなく、情報資産管理、リスク、インシデント管理、情報漏えい対策、アクセス管理、関連法規などについて学びます。
また、ケーススタディを通して、業務の現場における情報セキュリティ管理の実践力も問われます。*3
そのため、
社員のアカウントを管理している
情報セキュリティポリシーの運用に関わっている
セキュリティ教育を担当している
インシデント発生時の対応に関わる
といった情シス担当者におすすめです。
現在は基本情報技術者試験と同じく、CBT方式で随時実施されています。
科目A・科目Bを合わせて120分、60問となっています。*3
基本情報技術者試験ほどプログラミングなどに重点を置くのではなく、まずセキュリティ分野について勉強したいという方にとっても、選択肢の一つとなるでしょう。
*3 出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「情報セキュリティマネジメント試験」
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/sg/outline.html
ネットワークを担当するなら「CCNA」
3つ目は、CCNA(Cisco Certified Network Associate)です。
CCNAは、Ciscoが提供しているネットワーク分野の認定資格です。
現在の200-301 CCNA試験では、
ネットワークの基礎
ネットワークアクセス
IP接続
IPサービス
セキュリティの基礎
自動化とプログラマビリティ
などの知識・スキルが問われます。*4
情シスでは、
「社内Wi-Fiにつながらない」
「特定のサーバーにアクセスできない」
「VPNにつながらない」
といったネットワーク関連の問い合わせを受けることがあります。
もちろん、ネットワーク機器そのものを外部ベンダーが管理している企業もあります。
しかし、障害が発生した際に、
「PC側の問題なのか?」
「ネットワーク側の問題なのか?」
「サーバー側の問題なのか?」
と原因を切り分けるためにも、ネットワークの基礎知識は役立ちます。
特に、自社でCisco製品を利用している場合や、ネットワークの構築・運用に関わっている情シス担当者であれば、取得を検討してみてもよいでしょう。
逆に、ネットワーク機器をほとんど触らない場合は、最初に取得する資格として優先する必要はありません。
自分の担当業務に合わせて選びましょう。
*4 出典:Cisco「200-301 CCNA」
https://www.cisco.com/c/ja_jp/training-events/training-certifications/exams/current-list/ccna-200-301.html?dtid=osscdc000283&linkclickid=srch
Linuxサーバーを扱うなら「LPIC-1」
4つ目は、LPIC-1です。
LPIC-1は、Linux Professional Institute(LPI)が提供しているLinux技術者向けの認定資格です。
LPIC-1では、Linuxのインストールやパッケージ管理、GNU・Unixコマンド、ファイルシステム、シェル、システム管理、ネットワーク、セキュリティなどについて学びます。*5
LPIC-1の認定を受けるためには、現在「101-500」と「102-500」の2つの試験に合格する必要があります。*5
情シスでは、Linuxサーバーを直接構築する機会がない場合でも、Webサーバーやクラウド環境などでLinuxに触れる可能性があります。
そのため、
Linuxサーバーを運用している
サーバー管理を担当している
インフラエンジニアとして知識を深めたい
といった方にはおすすめです。
一方で、社内システムがほぼSaaSで構成されており、Linuxを操作する機会がほとんどないのであれば、優先順位は下げてもよいでしょう。
「情シスだからLPICを取る」のではなく、自分の担当業務でLinuxを利用するかどうかを基準に判断しましょう。
*5 出典:Linux Professional Institute「LPIC-1」
https://www.lpi.org/ja/our-certifications/lpic-1-overview/
AWSを利用しているなら「AWS Certified Solutions Architect - Associate」
5つ目は、AWS Certified Solutions Architect - Associateです。
AWS(Amazon Web Services)は、さまざまな企業で利用されているクラウドサービスです。
AWS Certified Solutions Architect - Associate(SAA-C03)は、AWS Well-Architected Frameworkに基づいてソリューションを設計する能力を証明するための試験です。
試験では、
安全なアーキテクチャの設計
回復性の高いアーキテクチャの設計
高性能なアーキテクチャの設計
コスト最適化されたアーキテクチャの設計
などについて問われます。*6
AWSを利用している企業の情シスであれば、クラウドの仕組みを理解するうえでも役立つでしょう。
ただし、AWS Certified Solutions Architect - Associateは、IT初心者が「とりあえず最初に取る資格」というよりも、AWSを利用している、またはクラウド環境の設計・運用に関わっている方に向いています。
自社でAWSを利用していないのであれば、ほかの資格を優先しても問題ありません。
*6 出典:Amazon Web Services「AWS Certified Solutions Architect - Associate(SAA-C03)」
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/aws-certification/latest/solutions-architect-associate-03/solutions-architect-associate-03.html

IT未経験なら「ITパスポート」から始めるのもあり
ここまで5つの資格をご紹介しましたが、
「基本情報技術者試験は、ちょっと難しそう……」
と思った方もいるかもしれません。
大丈夫です。
IT未経験で情シスに配属された場合は、ITパスポート試験から始める方法もあります。
ITパスポート試験は、ITに関する共通的な基礎知識を問う国家試験です。コンピューターやネットワーク、情報セキュリティだけではなく、企業活動やシステム開発、新しい技術などについても幅広く出題されます。
現在はAI、ビッグデータ、IoTなどについても試験の対象となっています。*7
そのため、
人事や総務などから情シスへ異動した
IT業務の経験がほとんどない
基本情報技術者試験から始めるのはハードルが高い
という場合は、
ITパスポート → 基本情報技術者試験
という順番でステップアップする方法もあります。
一方、すでにITの基礎知識を持っている方であれば、ITパスポートを飛ばして基本情報技術者試験から挑戦してもよいでしょう。
「どちらが上か」だけではなく、現在の自分の知識レベルに合わせて選ぶことが重要です。
*7 出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「ITパスポート試験」
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/ip.html
Microsoft 365を管理する情シスならMicrosoft認定資格も選択肢
企業によっては、AWSやLinuxよりも、
「Microsoft 365を触っている時間のほうが圧倒的に長い」
という情シス担当者もいるのではないでしょうか。
Microsoft 365、Microsoft Entra ID、Microsoft Intuneなどを業務で利用している場合は、Microsoftの認定資格も選択肢になります。
たとえば「Microsoft 365 認定: エンドポイント管理者アソシエイト」は、Microsoft Intuneなどを利用したエンドポイントの展開・管理に関する知識・スキルを対象とした認定資格です。*8
PCのキッティングや端末管理、アプリケーション管理などを担当している情シスであれば、日常業務との関連性も高いでしょう。
ただし、Microsoftの認定資格は、試験内容や資格体系が変更されることがあります。
取得を検討する場合は、「有名な資格だから」という理由だけで選ぶのではなく、現在自分が管理しているMicrosoft製品・サービスに対応する資格を公式サイトで確認しましょう。
*8 出典:Microsoft Learn「Microsoft 365 認定: エンドポイント管理者アソシエイト」
https://learn.microsoft.com/ja-jp/credentials/certifications/modern-desktop/?practice-assessment-type=certification
結局どの資格を取ればいい?情シス資格の選び方
ここまで読んで、
「結局、私はどれを取ればいいの?」
と思った方もいるのではないでしょうか。
資格を選ぶときは、「情シスにおすすめの資格だから」という理由だけではなく、現在の知識レベルと担当業務を基準に考えるのがおすすめです。
目安としては、以下のように考えるとよいでしょう。
ポイントは、すべて取得しようとしないことです。
情シスは業務範囲が広いため、勉強しようと思えば、ネットワーク、サーバー、クラウド、セキュリティなど、学ぶ分野はいくらでもあります。
まずは、自分の業務で頻繁に出てくる分野や、「ここがわからなくて困る」と感じている分野から勉強するとよいでしょう。
たとえば、
「IT用語そのものがまだよくわからない」
→ ITパスポート・基本情報技術者試験
「セキュリティ担当になった」
→ 情報セキュリティマネジメント試験
「ネットワーク障害の切り分けが苦手」
→ CCNA
「Linuxサーバーの管理を任された」
→ LPIC-1
「AWSの運用を担当することになった」
→ AWS Certified Solutions Architect - Associate
という選び方です。
資格を取得すること自体ではなく、資格取得のために学んだ知識を実際の業務で使えるようにすることを意識しましょう。

資格を取れば情シスとして一人前になれる?
ここまで資格についてご紹介してきましたが、資格を取得すれば、すぐに情シスとして何でもできるようになるわけではありません。
資格の勉強によって得られるのは、基本的には体系化された「知識」です。
一方、実際の情シス業務では、
「社員からうまく状況を聞き出す」
「原因を切り分ける」
「ベンダーに適切に問い合わせる」
「影響範囲を判断する」
「社内へ分かりやすく説明する」
といったスキルも必要になります。
たとえば、
「PCがネットワークにつながらなくなった。どうにかしてほしい」
という問い合わせがあったとします。
この場合、
「ほかのPCはつながるのか?」
「有線なのかWi-Fiなのか?」
「インターネットだけなのか、社内システムにもつながらないのか?」
「IPアドレスは取得できているのか?」
「いつから発生しているのか?」
などを確認しながら、原因を切り分けていく必要があります。
ここで、ネットワークやPC、サーバーなどの基礎知識があることで、「次に何を確認すればよいのか」を考えやすくなります。
つまり、資格取得に向けた勉強で得た知識と、実務経験を組み合わせることが重要なのです。
まとめ|資格をうまく活用して情シスに必要な知識を身につけよう
今回は、情シス初心者の方におすすめしたい資格についてご紹介しました。
まず、冒頭でも述べましたが、情シス業務に資格は必須ではありません。
資格取得は、情シスとして必要な知識を増やしたり、自分に不足している知識を補ったりするためのひとつの手段です。
しかしながら、PC、ネットワーク、サーバー、セキュリティ、クラウドなど、情シスの業務範囲は非常に広いです。
すべての分野について、日常業務だけで体系的な知識を身につけることは難しいでしょう。
そこで、
「IT全般の知識が足りない」
「セキュリティに自信がない」
「ネットワークをさらに理解したい」
「AWSの担当になった」
といった自分の課題に合わせて資格を選び、勉強することが大切です。
IT未経験であればITパスポートから始めてもよいですし、IT全般の基礎を固めたいのであれば基本情報技術者試験、セキュリティなら情報セキュリティマネジメント試験という選択肢があります。
さらに、担当業務に応じてCCNA、LPIC-1、AWS認定、Microsoft認定などの専門的な資格へ進んでいくとよいでしょう。
「資格を取ること」をゴールにするのではなく、そこで身につけた知識を日々の情シス業務で活用していきましょう。
アイエスエフネットには、資格と実践力を備えたITインフラエンジニアが多数在籍!
ここまで、情シスにおすすめの資格や、資格取得によって知識を身につけることの重要性についてご紹介してきました。
一方で、
「情シスの人材が不足している」
「社内だけではITインフラの運用まで手が回らない」
「必要な知識やスキルを持ったエンジニアを確保したい」
といった課題を抱えている企業もあるのではないでしょうか。
アイエスエフネットには、サーバーやネットワークをはじめとしたITインフラに関する知識・スキルを持つエンジニアが多数在籍しています。
また、CCNAやLPIC、AWS認定などの資格取得を支援する教育体制を整え、エンジニアの継続的なスキルアップにも取り組んでいます。
ITインフラエンジニア派遣サービスでは、サーバー・ネットワークをはじめ、情報システムの運用・保守、ヘルプデスク、キッティングなど、企業の課題に合わせた支援が可能です。
「情シスの人材不足を解消したい」「自社に必要なスキルを持ったエンジニアを確保したい」とお考えの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
※この記事は、更新時点の情報をもとに作成しています。








