情シス Secret Method

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本気で現状を打破したい情シスの方以外は見ないでください “DX時代の情シス”とは?

「DXって上層部が考えるべきものでしょ?情シスは上層部から降ってくる依頼をやれば良いから!」
「うちは予算も少ないし、人手も足りないし、日々の業務でいっぱいいっぱいだから、DXとか言われても無理だよ・・・」
「あ、うちITツールとか活用して一部自動化とかしてるよ。だからDXはもう達成してます」

上記のように考えている方、多いのではないでしょうか?

たしかに“DX”というワード、ニュースや新聞で毎日のように出てきますが、かなりあいまいな文脈で使われるケースもあり、よく分からないという方も多いと思います。

クラウドの活用、ITツールでの自動化、RPAなどを用いた業務効率化などが“DX”と誤解されていますが、それらは全てDX達成の“手段の一つ”にすぎません。

経済産業省により定義されている“DX”とは、「ITと事業の融合により、事業モデル全体を転換させること」です。

そして、定義上での“DX”を実現するためには、企業で唯一のIT部門である情報システム部(以下情シス)が主体となって先導する必要があります。
なぜなら、最新IT技術をしっかりと理解して既存事業に組み込み、事業モデルの転換までもっていくことは、他部門では難しいからです。

それに加えて今はVUCAの時代とも言われ、信じられないような企業の倒産ニュースを日々目にしていると思います。

いつ・誰が・どうなるか分からない今だからこそ、情シスが先頭に立ってDXを推進していかなければなりません。

今回は、そんな“DX時代”に求められる情シスの役割をひも解いていきます。

目次[非表示]

  1. 1.DXとは?
  2. 2.VUCAの時代とは?
    1. 2.1.自動車業界の例
    2. 2.2.全方位に押し寄せる変化の波
  3. 3.今までの情シス業務
    1. 3.1.守備範囲が広すぎる
    2. 3.2.コストカットのゆくすえ
  4. 4.DX時代の情シス業務
    1. 4.1.最新IT技術と事業を組み合わせること
    2. 4.2.既存の業務を最小限の工数で回すこと
    3. 4.3.売上に直結する部門に生まれ変わること
  5. 5.まとめ

DXとは?

まず、冒頭でもふれましたが、“DX”、つまりデジタルトランスフォーメーションは、以下のように明確な定義がされています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して
顧客や社会のニーズを基に、製品やサービスビジネスモデルを変革するとともに、
業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」

https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf)」より

つまり、単純にITを利用することや、ITツールを用いて業務の効率化と自動化を図ることは当たり前であり、その上でビジネスモデルの変革をしていく必要があるということになります。

裏を返すと、最新のITを活用した上でビジネスモデルの変換を行い、他社との競争優位性を作らなければ、今は企業の存続すら危うい時代とも言えます。

それはなぜか?

今が“VUCA”の時代だから、です。


VUCAの時代とは?

では、“VUCA”の時代とはなんでしょうか?

VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を繋ぎ合わせた造語で、その4つの原因より「先の予測が困難」という意味で用いられます。

元々はアメリカの軍事用語で用いられていた用語でしたが、2016年のダボス会議(世界経済フォーラム)で「VUCAワールド」として引用され、一気に利用が広がりました。

VUCAという用語自体は、ビジネス領域だけではなく、環境や世界情勢でも用いられる言葉です。
ビジネス領域では、日々新しいサービスが現れては、既存のサービスが淘汰されることが、現実世界で多く起こっていることは想像に難しくないと思います。

例えば、今ではほとんどの方が利用しているスマートフォン、これもつい10数年前はほとんど誰も持っていませんでした。

さらには、スマートフォンが携帯ゲーム機や翻訳機、カメラの代わりにもなり、ホームシアターの役割もこなし、まさか携帯電話でのコミュニケーションの手段としてe-mailをほぼ使わないようになると数年前から予測していた方はどれほどいるでしょうか?

このように、人々のふとした不便さやニーズをくみ取り、それらを解決するような新しい革新的なサービスが生まれ続けているのです。

これは、先進テクノロジーに元々近い業界だけで起きている訳ではありません。


自動車業界の例

自動車業界の例を見てみましょう。

フランスのタイヤメーカーのミシュランでは、運送会社向けのサービスで、車のタイヤにセンサーを組み込み、タイヤのすり減り方などのデータからタイヤの利用料を課金するサービス(※1)を始めています。
※1 MICHELIN® FLEET SOLUTIONS™ (https://business.michelinman.com/freight-transportation/freight-transportation-services/michelin-fleet-solutions) より(注意)HPは全編英語

日産自動車とDeNAは、今話題の自動運転技術を活用し、「Easy Ride」という無人運転車両を用いた新しい交通サービスの実証実験を繰り返し行っています。一般モニターの方も参加できるとのことです。
※Easy Ride HP(https://easy-ride.com/)より

自動運転技術は今のところ実験段階ですが、将来的には自動運転技術に加え、車同士や信号がリアルタイムで相互接続して渋滞緩和する仕組みが構築されようとしています。
効率的に自動車が稼働できるようになるため、ライドシェアの需要が伸びて、人はますます自動車を所有しなくなるだろうと言われています。

既存の産業にも影響が出るであろうこの状況は、産業の構造そのものを破壊する可能性をはらみ、“変化”を見すえて対応していく必要があります。

「そんなの妄想の中の話でしょ?」「遠い世界のことに感じるな」と思うかもしれません。
しかし、2019年末にTOYOTA自動車は「※自動車販売会社から“モビリティカンパニー”へのフルモデルチェンジ」を宣言しており、すでに動きはじめている大企業もいるのです。
※TOYOTA自動車HP 2019年12月 トップメッセージより(https://global.toyota/jp/company/messages-from-executives/details/


全方位に押し寄せる変化の波

もちろん、自動車業界だけではなく、あらゆる業界にこうした変化の波が押し寄せています。

「先の予測が困難な」“VUCA”の時代だからこそ、IT活用を前提としたビジネスモデルチェンジ=“DX”を推進し、競争優位に常に立ち続ける必要があるのです。
また、IT活用を前提としているため、情シスの皆様が経営層と一緒になって先導していく必要があります。

しかし、日々の運用に稼働を取られ、新規の投資もあまりできず人もお金も不足してしまっている情シスが多いのが実情です。

では、どうすれば良いのか?

まず、情シスの業務、役割を根底から見直しましょう。

今までの情シスの仕事を振り返った上で、“DX時代”の情シスに求められる役割、達成させる手段について述べていきます。


今までの情シス業務

図1 情シス業務一覧

守備範囲が広すぎる

上の図は、情シスの業務を一覧にして、概要をまとめたものです。
当然、企業により特色があるため、全ての会社の情シスが上記対応を行っている訳でもないですし、記載以外の対応を行っているケースもあるでしょう。

ただ、多くの企業の情シス業務からそれほど大きく外れていないのではないでしょうか。

結論として伝えたいことは、多くの企業の情シス業務は“守備範囲が広すぎる”ということです。

日々の社内のインフラ環境、システム環境の運用保守をしながら、不具合が発生したらそのトラブルシュートをし、社員からの問い合わせ対応も受け付け、更にインフラ環境や基幹システムの更改といった一大イベントがスケジュールに組み込まれたらもう手が回らなくなることは確実です。


コストカットのゆくすえ

加えて、これまでの情シスは、売上に直接関与しないと見なされ、コストカット対象となりがちな部門でした。
ひとりで情シスを切り盛りする「ひとり情シス」や、他部署と兼務している「兼任情シス」がしばしば話題に上がるのは、コストカットのゆくすえとなります。

このような状況のため、「DXに関して、レポートで情シスの見解を出して」などと依頼を受けたとしても、対応が後手後手に回ったり、難しいと断ったりしてしまうのは当たり前の反応なのです。

しかし、繰り返しになりますが、“DX時代の情シス”は、ITを活用した事業モデルの転換を先導していかなければなりません。

では、情シスはどのように業務を変えていき、どのように生まれ変わっていくべきなのでしょうか。


DX時代の情シス業務

結論から述べると、“DX時代の情シス”に求められる要素は以下の3点です。

■DX時代の情シス3要素
◇最新IT技術と事業を組み合わせること
◇既存の業務を最小限の工数で回すこと
◇売上に直結する部門に生まれ変わること


最新IT技術と事業を組み合わせること

DXの達成には、最新IT技術と既存(新規)事業を組み合わせてビジネスモデルを転換させ、それを進化させ続けることが必要です。
そのため当然ですが、最新IT技術(アジャイル開発、DevOps、コンテナ技術など ※2021年5月段階)の習得が前提条件となります。

今まで、「最新技術領域はアウトソースしてきたから、これからもそれで大丈夫」と考えている方も多くいらっしゃるでしょう。
もちろん、それで「大丈夫」なケースもあるかもしれません。

しかし、企業のビジネスモデルを転換させ、それを進化させ続けるという変革のフェーズにおいて、アウトソーサーに最新技術領域を一任してしまって良いのでしょうか。
今までの、サーバ、ネットワークの更改や業務システムの開発などとは規模も会社へのインパクトも段違いです。

そのため、企業のIT部門である情シスが最新のIT技術を学び、理解した上で知識経験をブラッシュアップし続け、DXを主体的に先導していく必要があるのです。

ここで課題が一つ出てきます。
「最新IT技術の習得が必要なのは分かったけど、それを勉強する暇が無いんだよ。。。」

その通りです。
既存の業務でいっぱいいっぱいであり、その上、使えるお金も人も限られているという状況を打破しなければ、新しい知識の習得なんてできるはずがありません。

解決策としては、既存業務の工数を削減していくことと、売上に直結する部門に生まれ変わることの2点が上げられます。


既存の業務を最小限の工数で回すこと

既存業務の工数削減、これは恐らく多くの方が取り組まれている課題だと思われます。

しかし、工数削減を限られた予算の中で実施し、一部の業務への適用で終わっていませんか?

そうではなく、“DX”に不要な業務全てを自社の業務範囲から外していく必要が有るのです。

「そんなの暴論だ、無理に決まっている!」

そうでしょうか。
DXを推進していくことで情シスは“直接的・間接的に利益を出す”部門に生まれ変わるのです。


売上に直結する部門に生まれ変わること

今まで、存在するだけでコストと言われていた間接部門が、利益を生みだす組織に生まれ変われば、会社全体の売上・利益に直接インパクトをもたらす存在になります。

もちろん、最初から全てを変えることは難しいです。
徐々に結果を出して売上に貢献し、それを元手に新たな投資に回して工数を削減し、捻出した工数で新技術の習得に当てていくというサイクルを回し続けることが重要になります。

なぜなら、“VUCAの時代”であり、“DXの時代”だからです。

“今”が、情シスが生まれ変わる最後のチャンスかもしれません。


まとめ

今回は、DXという言葉の定義、現代がVUCAの時代だからこそ、企業は“今”DXを推進しなければならないということ、またその中で、企業で唯一のIT部門である情シスが果たすべき役割について述べてきました。

現状、業務の守備範囲が広すぎる多くの企業の情シス部門が、DXの旗振り役を担うための方法として以下の3点をあげました。

  • 最新IT技術の習得により、ITと事業を組み合わせ、進化させ続けること
  • 既存の情シス業務の中で、DX実現に不要な業務を全て自社内の工数から切り出し、必要最低限の稼働工数に圧縮すること
  • DX実現により売上に直接/間接的に関わる部門と生まれ変わることで、更なる自社業務の圧縮を推し進め、最新テクノロジー収集に時間を割いていくこと

上記のように、情シスがこれまでとは全く異なる役割に生まれ変わらなくてはならないということをご理解頂けたのではないでしょうか。



※この記事は、公開時点の情報をもとに作成しています。

土井 広毅
土井 広毅

営業兼ライター。 アイエスエフネットの多岐に渡るソリューションの営業業務、部門のマネジメントを行う傍らで、 WEBコンテンツの制作に悪戦苦闘する日々を送る。 座右の銘は「為せば成る」

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