情シス Secret Method

本気で現状を打破したい情シスの方以外は見ないでください “DX時代の情シス”とは?(後編)

前編では、さまざまなものの予測が困難になってきている時代(VUCA)の中で企業として生き残り続ける、勝ち続けるためにDXを行う必要があり、そのDXを先導しなければいけない、企業で唯一のIT部門である情シスの皆さまはとても重要な立ち位置にいることを述べてきました。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、最新ITを活用することではなく、「最新ITを活用して事業そのものを転換させること」であるということもご認識いただけたと思います。

また、「最新ITを活用して事業そのものを転換させること」で、VUCAの時代で生き残り続ける、イコール、周囲の環境が変化し続けても収益を上げ続けることを目指していかなければならないということです。

つまり、最新のIT技術を活用することは、DXの達成における“目的”ではなく“手段”であり、かつ、DXそのものも、企業活動における最終の目的「利益をあげること」を達成するための“手段”にすぎないということです。

詳しくはこちら
本気で現状を打破したい情シスの方以外は見ないでください “DX時代の情シス”とは?

しかしながら、前編をご覧になった上で、皆さまが思うことは
『DXを行う上で情シスが重要なのは分かったけど、具体的にはどんなIT技術を用いてDXを推進するの?』
ということではないでしょうか。

後編では、DXを行うために必要となる最新IT技術(2021年8月時点)は何かについて、掘り下げていきます。

目次[非表示]

  1. 1.DXの実践に必要なことは?
  2. 2.DXの実践に不可欠な最新IT技術(2021年8月時点)
    1. 2.1.IoT
      1. 2.1.1.IoTとは?
      2. 2.1.2.IoTの本質
        1. 2.1.2.1.モノの価値がハード面からソフト面へ変換される
        2. 2.1.2.2.モノがリアルタイムでデータを収集し、分析、未来の予測をすること
    2. 2.2.AI
      1. 2.2.1.AIとは?
      2. 2.2.2.人とAIの対応範囲の棲み分け
    3. 2.3.クラウド
      1. 2.3.1.モノのサービス化
      2. 2.3.2.クラウドサービスを使うだけでOKではない
      3. 2.3.3.開発で利用したいクラウドサービス
        1. 2.3.3.1.FaaS(Function as a Service)
        2. 2.3.3.2.CaaS(Container as a Service)
    4. 2.4.アジャイル開発 DevOps    
      1. 2.4.1.アジャイル開発とは?
      2. 2.4.2.SIerはアジャイル開発が得意ではない!?
      3. 2.4.3.DevOpsとは?
      4. 2.4.4.アジャイル開発とDevOps
    5. 2.5.5G 6G
  3. 3.まとめ

※2章は非常に長くなっているため、必要なところをピックアップしてご覧ください。

DXの実践に必要なことは?

DXの実践に必要なこと、それは“圧倒的なスピード”です。
予測不可能な時代の中で生き残るためには、他社の追随を許さない革新的なサービスをいち早く世に送り出し、世の中のニーズに応えながら改良し続ける必要があるためです。

例えば、前編で紹介したミシュランタイヤの例ですが、これはタイヤの中にチップを組み込み、そのデータを収集してタイヤの利用料を課金するサービスです。

これは、タイヤがいわゆるIoT機器となっており、そこで蓄積されたデータをAIで解析、そのデータを活用してサービスを改良、もしくは付加価値となるサービスをアドオンして、消費者のニーズに応えようとするサービスです。

タイヤはそれまで売り切ることが前提の製品だったため、自社だけではなく、業界そのものの構造改革にもつながっており、まさにDXの実践と言えるでしょう。

つまり、DXの実践には、現場(タイヤを利用する環境)からリアルタイムのデータ(タイヤのすり減り方)を得て、解析し、データを基にして正しくアウトプット(サービスを改良)していく環境が必要ということです。   

また、この環境を作り、他社と差別化できるほどにスピードを高めるためには、最新のIT技術が必要です。

例えば、リアルタイムでのデータ収集としては、IoTが用いられます。
データの解析ではAIが用いられ、データの活用フェーズではクラウドを基盤としたアプリケーションの提供が行われます。

さらにアプリケーションの開発では、アジャイル開発手法が利用され、この一連のフローは全て5G(次世代であれば6G)などを利用したインターネットで接続され、相互接続される環境であることが前提となります。

また、アプリケーションも今までのように、作ったら作りっぱなしではなく、現場からの高速なフィードバックをもとに改良し続けていく必要があります。

アプリケーションを社外に販売する場合も、社内で利用する場合でも、消費者のニーズに応え続けられるものでなければ、淘汰されてしまうためです。


DXの実践に不可欠な最新IT技術(2021年8月時点)

DXの実践には、“圧倒的なスピード”が必要であり、そのスピードを担保するためには、“最新のIT技術”が必要であると述べてきました。

すでに触れておりますが、現時点での最新IT技術は大きく分類すると以下の5点となります。
※IT技術は日進月歩で進化していくため、あくまでも2021年8月時点とご認識ください。

*IoT(以下全てにそれぞれの文章へのリンク)
*AI
*クラウド
*アジャイル開発 DevOps
*5G 6G

以下よりそれぞれを解説していきますが、あくまで目的はデータ収集→解析/分析→データ活用の一連のフローを高速化し、事業展開に圧倒的なスピードを出すことです。

そのため、ご紹介する技術も、圧倒的なスピードを出すための“手段”にすぎません。
自社の事業で課題となっていない部分や事業の高速化に関係ないと思われる部分に関しては、読み飛ばして頂いて問題ございません。

最新IT知識がご自身に定着しているかの確認として利用されても良いかと思います。


IoT

IoTとは?

IoTとは、Internet Of Things の略称で「モノのインターネット」と訳されます。
監視カメラや家電製品(エアコンや冷蔵庫など)にインターネットが接続されるようになったとニュースなどでも取り上げられているため、ご存知の方も多いと思います。

肌感覚としてもインターネットに接続できるモノが増えていることを実感されている方も多いのではないでしょうか。
実際に、2020年の時点でインターネットに接続されるモノの数は400億個(※)にものぼると言われています。
※総務省 平成30年版 情報通信白書(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/pdf/n1100000.pdf)より

しかしながら、これを単純に『インターネットに接続されるものが増えてすごい時代だなー』で終わらせてはいけません。


IoTの本質

IoTの本質は
・モノの価値がハード面からソフト面へ変換される
・モノがリアルタイムでデータを収集し、分析、未来の予測をすること

という二点です。


モノの価値がハード面からソフト面へ変換される

モノの価値がハード面からソフト面へ変換されるとは、モノがインターネットに接続されることで、モノ単体では成し得なかった新たな価値を生み出すことができるようになるということです。

例えば、上で紹介したミシュランのタイヤも、タイヤ単体ではできない、利用者の運転情報をリアルタイムで入手することができ、自動車保険会社と連携するなどのサービスを付帯することができるようになります。

さらに身近な例でいうと、スマートウォッチは、きめ細やかな身体情報をつかみ、他のアプリケーションと連携させることで、利用者にとって健康アドバイザーの様な役割を担うことができるようになります。

つまり、モノ自体の性能に加えて、インターネットに接続されることで、より顧客に寄り添ったサービスを生み出すことができるようになるということです。

またモノを売った後も、データをモニタリングしながら利用者に合わせてソフトウェアをアップデートし続け、関係を継続しながらデータを収集することができるようになります。

逆に言うと、かつてのようにモノ自体の「性能」や「品質」で売ることは限界を迎えてきているということです。


モノがリアルタイムでデータを収集し、分析、未来の予測をすること

モノがリアルタイムでデータを収集し、分析、未来の予測をすることとは、データを収集し続け、蓄積していくことで未来の予測ができるようになるということです。

ソフトウェア化したモノは継続利用してもらうことで膨大な利用データをリアルタイムで得ることができます。
これによりリアルタイムの分析はもちろん、過去のデータと組み合わせて分析をすることで、未来を高い確率で予測できるようになります。

例えば、工場用の機械にセンサーを組み込み、リアルタイムでデータを吸い上げている場合、過去の故障発生のデータと照らし合わせて、近い将来に起こるであろう機械の故障を予測できるようになります。

出てきた故障の予測に合わせて、先回りで機械の点検や保守を行えば、故障を未然に防ぎ、顧客の満足度を高めることもできます。

これは、ハード製品を売っている会社だけの話ではありません。
ソフトウェアやアプリケーションを売っている会社でも、バグや不具合を早期で発見し、クレームを抑止することができます。

つまり、ここで一番大事なことは、「データをリアルタイムで入手し、大量に蓄積・分析し、事業に活用すること」です。

リアルタイムデータを入手・蓄積さえできれば、入手する先がモノであろうがアプリケーションであろうが大差は有りません。
すなわち、顧客の生の声(リアルタイムデータ)から新サービスの開発につなげていく、「デザイン思考」の考え方そのものです。


AI

AIとは?

AIとは、Artificial Intelligenceの略称で、「人工知能」の意味です。
これも、テレビや新聞、ネットなどで毎日のように目にされていらっしゃるワードだと思います。

しかしながら、「AI」「人工知能」「ディープラーニング」など、関連するワードを目にした、耳にした、口にした経験はありながらも、『正直よく分からないんだよなぁ』という方も多いのではないかと思います。

それもそのはずで、人工知能についての明確な定義は“今のところない”のです。

そのため一般論になってしまいますが、現在、人工知能は以下の様な解釈でレベル分けされております。

斎藤 昌義(2020年)『 【図解】これ1枚でわかる最新ITトレンド[新装改訂3版]』 技術評論社 より

ちなみに、
レベル1は、重さで洗濯時間を自動で切り替える全自動洗濯機
レベル2は、ルンバなどの自動掃除機
レベル3は、AI将棋
レベル4は、自動運転車
などがそれぞれ当てはまります。

現時点では、レベル3、4を「人工知能」と呼ぶことが一般的となっております。


人とAIの対応範囲の棲み分け

さて、今回の主旨における人工知能の利用シーンは、IoT端末(もしくはリアルタイムでデータを入手するための手段)で入手したデータを蓄積し、分析・解析する場面となります。

レベル3以上の人工知能であれば、蓄積されたデータ(ビッグデータ)を学習し分析することができます。
また、現段階の人工知能は、課題の設定や分析の結果として導き出された答えを活用することはできませんが、人間よりも速く正確に、大量なデータを処理することができます。

そのためAIにデータ分析の部分を任せ、人間はより重要となる、事業の発展に向けた高精度な未来の予測を導き出すことに集中できるようになるのです。

このデータを集め、分析し、事業展開の仮説を出すというこの一連の流れ自体は、新しいことではなく、一般的にどの企業でもやっていることと思います。

それをマンパワーだけではなく、テクノロジーも交えることで、より効率的に仮設を立てることができるようになるということです。

冒頭で記載した通り、DXの推進には圧倒的なスピードが重要です。
そのため、データ蓄積・分析の部分でAIを活用していくことが重要となってくるのです。


クラウド

モノのサービス化

IT領域に携わっている方でクラウドについて聞いたことが無い方はあまりいらっしゃらないと思いますので、今回クラウドとは何か?については割愛します。

斎藤 昌義(2020年)『 【図解】これ1枚でわかる最新ITトレンド[新装改訂3版]』 技術評論社 より

ご存知のように、今、メールシステムや給与計算システム、Officeソフト、ITインフラ基盤など、あらゆるサービスがクラウド化しています。

サービスがクラウド化していくことは“モノがサービス化”していくことと同義です。    

例えば、オンプレミスが主流だった時には、サーバやストレージ、ネットワークなどシステムの基盤となる物理装置を自社で購入し、組み立てて運用してきました。

ITインフラ基盤がクラウドサービス化(IaaSやPaaS)した現在は、既にサービスとして提供されている基盤を必要な時に必要な分だけ利用することができるようになります。
これにより、物理機器の保守やメンテナンス・管理からも解放されます。

また、Officeソフトなどのソフトウェアもクラウドサービス化(SaaS)しました。

SaaS化により、従来のようにパッケージソフトとしてあるアプリケーションをライセンス期限まで利用し、切れるタイミングでまた新しいパッケージソフトを購入し直すということが無くなりました。

また、情シスの目線からは、ライセンス期限の兼ね合いにより、社員ごとにライセンスバージョンが異なり、管理が煩雑になってしまっていた問題も解消されます。

このように、クラウドサービスを利用することによる最大のメリットは、モノから解放され管理や保守の時間を圧縮できること、つまり“時短”です。

繰り返しになりますが、“DXの実践”に一番不可欠なことは圧倒的なスピードになります。
圧倒的なスピードを手に入れるためにクラウドサービスの活用は避けては通れないのです。


クラウドサービスを使うだけでOKではない

しかしながら、クラウドサービスを利用すれば、万事解決!とはなりません。

例えば、自社でアプリケーションの開発をする場合、その基盤部分にIaaSを利用するかPaaSを利用するかでスピードに差が出ます。

IaaSの方が自由にカスタマイズできるため、拡張性は高いです。
しかしながら、PaaSでは基盤に加えてOS、ミドルウェアまでを提供されるため、そのプラットフォーム上で開発に専念できます。

このように、「何をしたいか」で選ぶべきサービスが異なるのです。


開発で利用したいクラウドサービス

また、アプリ開発を円滑化するサービスとして、FaaSやCaaSも注目されています。

FaaS(Function as a Service)

最近、「サーバレス」というワードをよく耳にしませんでしょうか?
それがFaaSです。

サーバレスとは、サーバの管理が不要で、プログラムコード(Function)を実行できるという意味です。「サーバが無い」という意味ではございません。
FaaSのサービスを利用することで、開発者はサーバのことを考えずに開発に集中できます。

ユーザがサーバの管理をしなくて良いという意味においては、FaaSとPaaSは同じです。
しかしながら、両者には決定的な違いがあります。

PaaSは「リクエストリプライ方式」と呼ばれ、処理を必要とするリクエストが発生するたび、アプリケーション全体を起動・終了する方式となります。

一方でFaaSは「イベントドリブン方式」と呼ばれ、処理が必要なサービスごとに起動・終了します。
利用量の変化が激しく、その時々でリソースを自動でスケールする必要が有るアプリケーション、例えばECサイトなどに向いているとされます。

またFaaSでは、使った分のサーバ使用料が課金されるため、IaaSなどのようにサーバの立ち上げ時間に課金されるサービスと異なりコスト削減も期待できます。

FaaSサービスの代表格としては、AWSのLambdaやAzureのAzure Functionなどがあげられます。


CaaS(Container as a Service)

「コンテナ技術」こちらもよく耳にされる言葉ではないでしょうか?
CaaSはまさにコンテナを利用するサービスです。

そもそもコンテナとは、仮想化技術の一種です。

斎藤 昌義(2020年)『 【図解】これ1枚でわかる最新ITトレンド[新装改訂3版]』 技術評論社 より

一般的な仮想化(ハイパーバイザー型)とは、例えばサーバなどのハードウェアに搭載されているCPUやメモリ、ストレージなどを細かく分割して、何台かのハードウェアに見せかけることができる技術です。

そのため、ユーザは分割されたハードウェアを自分専用のマシンとして利用することができ、独立した自由なOSを載せ、個別にアプリケーションを実行することができます。

ハイパーバイザー型の仮想化技術では、VMware VSphereやMicrosoft Hyper-Vなどの製品が有名です。

一方でコンテナ技術とは、一つの物理ハードウェア上で、ハイパーバイザー型よりも少ないシステム資源で複数のアプリケーション実行環境を作る技術のことです。

コンテナ技術を用いた場合、一つのOS上で、複数のコンテナ(アプリケーション実行環境)を利用するため、システム資源を少なくできます。

そのため、同じ性能のハードウェアを利用する場合、ハイパーバイザー型の仮想基盤より多くのアプリケーション実行環境を作ることが可能です。
また、一つのOS上でコンテナを動かすため、ハイパーバイザー型よりも早く物理マシンを起動させることもできます。

さらにコンテナ環境は、同じOS上であれば、ハードウェアの制限を受けないため、自由にサーバやクラウド間で移動させることもでき、この点もハードウェアの制限を受けるハイパーバイザー型と似て非なる部分となります。

まとめると、コンテナ技術を利用することでリソース効率を高めることができるだけではなく、例えばAWSからAzureの環境にそのまま移動できるため、自由度高く開発を実施することができます。

そのコンテナ環境をクラウド上で簡単に構築、管理し、スケールさせることができる環境がCaaSです。
上記してきたコンテナ利用のメリットをクラウド上で最大限活用することが可能です。

一方でCaaSの欠点としては、PaaSやFaaSと比較すると、アプリケーション開発者の基盤部分に対する責任範囲が高まる点です。
CaaSはIaaSとPaaSの中間に位置していると言われております。

CaaSの代表的なサービスとしては、AWSのECS、GCPのGKEなどがあげられます。

斎藤 昌義(2020年)『 【図解】これ1枚でわかる最新ITトレンド[新装改訂3版]』 技術評論社 より


アジャイル開発 DevOps    

アジャイル開発とは?

アジャイル(Agile)とは、「素早い」「機敏な」という意味の英単語です。
その名の通り、アジャイル開発とは、従来のウォーターフォール型開発と比較すると、開発からリリースまでが早い開発手法となります。

では、なぜアジャイル開発は、リリースまでの期間が短いのでしょうか?

アジャイル開発は、利用者の要望する優先順位に沿って、開発の単位を小さく区切り(イテレーション)、①計画、②設計、③実装、④テストの4工程を繰り返していく手法だからです。

イテレーションの期間は、大体1週間~2週間ごとが一般的と言われています。
このように細かく開発を区切って実装、テストを行っていくため、開発の途中で仕様変更が発生した場合も、柔軟に対応することができます。

変化の激しいVUCAの時代に対応するため、最初の想定とは全く違う仕様に変更しなければならない、途中で機能を追加しなければならない、といったことが頻発することは想像に難しくないと思います。

そのため、変化に柔軟な対応ができる開発手法として、アジャイル開発が注目されているのです。

また、アジャイル開発では、優先度の高い箇所から開発を進めていくため、すぐに製品化(リリース)することができます。
最低限の機能だけを持たせた状態で世に送り出し、その他の必要な機能を順次アップデートしていくような対応ができるということです。

例えば、全部で1,0000ステージあるスマホゲームを、最初の10ステージだけ作ってリリースしてしまい、その後のステージは順番にアップデートしていくイメージとなります。

これを行うことで、ミニマム機能で送り出したアプリケーションの市場での評価をすぐにその後の開発に活かすこともでき、全く売れない場合は、傷が浅い段階での撤退判断も可能となります。

すぐにリリースして収益化することもできるため、アプリケーション開発をミニマムの予算で実施可能というのも魅力の一つです。

その他、不具合発生時の手戻りが少ない、不具合の原因分析が行いやすいといったようなメリットもあります。


SIerはアジャイル開発が得意ではない!?

これまで、自社アプリケーションの開発はSIer(システムインテグレータ)に任せていたという企業も多いのではないでしょうか?

しかしながらSIerは、アジャイル開発が得意ではないと言われています。

それはSIerのビジネスモデルが、成果物(アプリケーションやシステム基盤)の開発や構築に、何人月のエンジニアが関わったのかで算出する「工数」ビジネスだからです。

「工数」ビジネスでは、最初に要件をしっかりと固め、必要分の工数をもって費用を算出します。
しかし仕様を最初にしっかりと固めないアジャイル開発では、工数を算出することができないため、SIerは得意ではない傾向があります。

逆に全体の開発計画を立て、その計画にそって開発していく従来型のウォーターフォール開発を好む傾向にあるとされています。

そのため、アジャイル開発で自社のアプリケーション、システムを臨機応変に作っていきたい場合は、“自社内で対応”していく必要性が増していくことは確実です。

そうなった場合、社内で唯一開発ができる“情シス”部門の重要度が高まっていくことは間違いないでしょう。


DevOpsとは?

DevOpsという言葉をご存知でしょうか?
Development(開発)とOperation(運用)を掛け合わせた造語です。

アプリケーションやシステムの開発チームと運用チームが密接に協力する体制を構築し、迅速な開発と運用を推進するための考え方です。

『いや、そんなことあえて言わなくても協力しているでしょ』
と思ったかもしれません。

しかし、迅速に対応を進めたい開発チームと、安定的な稼働を求めたい運用チームが反発することは珍しくありませんでした。

要するに、開発側は顧客のニーズに合わせて、機能追加を早く行いたい。
運用側は、安定運用が難しくなるため、早いリリースを避けたい。
といった利害の不一致が生まれ、衝突してしまうということです。

しかしながら、どちらも利用するユーザの利便性を向上させ、ビジネスを成功させることを目指しているからこそ上記の様な考えに至っております。

そこで、お互いが協力し合い、高い品質を保持しつつ、システムへの変更から運用に移るまでの時間を短縮することを目指す考えとしてDevOpsの考え方が生まれました。


アジャイル開発とDevOps

また、DevOpsは、アジャイル開発とセットで考えられます。

アジャイル開発とDevOpsをセットで考えた場合、イテレーションごとにアプリケーションをリリースして、運用・検証を行い、次のイテレーションで機能を追加して、運用・検証をしていくというサイクルの繰り返しです。

ユーザは機能が早く追加されるほど満足度が上がるため、アジャイル開発とDevOpsはユーザ価値を高めるためには切っても切り離せない関係になるのです。

DevOpsのモデル


5G 6G

5G(第5世代移動通信システム)に関しても、既に市民権を得ている既知の情報だと思いますので、説明は割愛します。

IoT→AI→クラウド基盤のアプリケーションはインターネットで相互接続されています。
インターネットで相互接続されているからこそ、リアルタイムでの情報連携ができるのです。

言い換えると、データの吸い上げ→分析→応用という一連の流れを高速で実施していくにはインターネット接続は基本となります。

『それなら、5Gじゃなくても光回線では良いんでは?』
もちろん大丈夫です。

しかし、今回の目的は、事業展開に圧倒的なスピードを出すことです。

そのためには、あらゆる場所にある、モノやサービスからリアルタイムでデータを吸い上げ、活用していく必要があります。

業種業界によっては、光回線を引くことができないところからデータを吸い上げる必要も出てくるでしょう。
その意味で、移動体通信=モバイル通信である5Gをうまく活用する必要があるのです。

ちなみに、日本は5G発展途上国となります。
中国では5Gの基地局が世界全体の70%を占め、5G携帯端末の契約数が携帯電話利用者数の80%以上を占めているとされています。
(※ AF PBB NEWS https://www.afpbb.com/articles/-/3356861より)

また、5G活用推進の裏で、6G(第6世代移動通信システム)の研究開発も着々と進んでいます。

もちろん、ご存知の通り5G、6Gは一企業でどうにかできるようなレベルの問題ではございません。

しかし、
「じゃあ日本で5G利用が本格的に拡大するのはいつになるのか?」
「日本で6Gはいつ頃実用化されるのか?」
このような疑問は頭に浮かんだでしょうか?

当然、5G、6Gだけに限った話では無いですが、最新のITテクノロジーの進化・発展には常日頃からアンテナを張って、自身の知識として定着させていく必要があります。

本章の冒頭でも書いた通り、IT技術の進化・発展は日進月歩だからです。


まとめ

今回、DX時代の情シスに必要なスキルセットを紹介してきました。
簡単に振り返ると以下が今回述べてきた内容です。

*IoT:「モノのインターネット」リアルタイムで情報を吸い上げることが目的。
*AI:「人工知能」特定の場面では人間よりも高速で情報を分析できる。
分析結果を使いこなすのは人間の役目。
*クラウド:「サービスとしての基盤」開発したい時に必要量だけを利用、課金。
開発のスピード向上。
*アジャイル開発/DevOps:「VUCA時代の開発手法」開発~リリース+運用の高速化。
*5G 6G:「あらゆるデータを繋ぐ要」どこからでも情報収集するために活用。

しかしながら2章の始めにも書きましたが、これらは全て手段でしかありません。
大切なことは「リアルタイムで収集したデータを高速に分析し、応用していくこと」です。

そのために、今現在で重要とされている最新技術を紹介しました。

しかしながら、ITはいつ何時、何が起こるか分かりません。
最新のIT技術がいつ最新では無くなるかも分からない時代です。

つまり、一番大事なことは、最新のIT技術・トレンドのインプットを常に行い、自社の利益のため使いこなしていくということです。

そのインプット→アウトプットこそが“DX時代の情シス”に一番求められている能力とも言えるでしょう。


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※この記事は、公開時点の情報をもとに作成しています。

土井 広毅
土井 広毅

営業兼ライター。 アイエスエフネットの多岐に渡るソリューションの営業業務、部門のマネジメントを行う傍らで、 WEBコンテンツの制作に悪戦苦闘する日々を送る。 座右の銘は「為せば成る」

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