これを読めばメールから移行したくなる?「Slack」の魅力と効果を分かりやすく解説
目次[非表示]
- 1.はじめに
- 1.1.Slack(スラック)ってなに?
- 1.2.Slackが利用できる環境
- 2.Slackは何ができるの?
- 2.1.チャット
- 2.2.ファイル共有
- 2.3.絵文字リアクション
- 2.4.通話と画面共有
- 2.5.チャンネル
- 2.6.ワークフロービルダー
- 2.7.アプリケーション連携
- 3.メールよりSlackを使う理由
- 3.1.チャンネルによる関連情報の集約
- 3.2.CCの追加漏れを心配しなくていい
- 3.3.あとから参加したメンバーでも情報を遡れる
- 3.4.絵文字リアクションによる効率的な返信
- 3.5.儀礼的な挨拶文を書かなくていい
- 3.6.結局、Slack?メール?どちらを使うべき?
- 3.7.社外メンバーとのコミュニケーションは?
- 4.Slackのライセンス費用とプラン比較
- 5.まとめ
はじめに
Slack(スラック)ってなに?
Slackとは、米国企業であるSlack Technologies, Inc.により提供されるビジネスチャットツールのひとつです。
チャットというとLINEが有名ですが、Slackはビジネスユース向けに開発されており、ビジネスシーンで活用できる機能が多く搭載されています。
またSlack社としては、社内メールに代わるものとしてSlackを設計しており、メールでの不便さを改善するだけでなく、メールよりも優れた社内コミュニケーションツールとしてSlackを位置づけています。
今回はSlackを紹介するにあたり、Slackの代表的な機能や、従来のメールコミュニケーションと比較して、Slackがどのように優れているのかという点について、みていきましょう。
Slackが利用できる環境
Slackは、以下の環境で動作します。
WEBブラウザでもアプリケーション版とほぼ同じように動作し、既読・未読状況なども同期されているため、どの端末からでも仕事の続きが始められます。
システム |
バージョン |
WEBブラウザ
|
Chrome(バージョン 66 以降) |
---|---|
Firefox(バージョン 60 以降) | |
Safari(バージョン 11.0 以降) | |
Microsoft Edge(バージョン 41 以降) | |
Windows |
Windows 8 以降 |
MacOS |
OS X 10.11 以降 |
Linux
|
Fedora 28 以降 |
Ubuntu LTS のリリース 16.04 以降 | |
Red Hat Enterprise Linux 7.0 以降 | |
モバイル |
iOS 12.2 以降 |
Android 6.0 以降 |
Slackは何ができるの?
Slackは非常に多機能なチャットツールですが、まずはそのなかでも代表的な機能7つについて紹介します。
1. チャット
2. ファイル共有
3. 絵文字リアクション
4. 通話と画面共有
5. チャンネル
6. ワークフロー
7. アプリケーション連携
チャット
Slackのメインとなるチャット機能です。
メッセージは、太字や斜体、リスト、引用などの基本的な書式設定が可能で、メッセージのなかで特定のメンバーへメンション(通知)を飛ばすことや、自分で書いたメッセージの編集と削除も可能です。
ファイル共有
多くのチャットツールが有しているように、Slackでもメッセージにファイルを添付することができます。
ファイルサイズが1GB以下であれば、添付できるファイルの種類に制限はありません。
また、Box、Dropbox、Google ドライブ、OneDrive といったクラウドストレージサービスと連携して、直接ファイルを追加することもできます。
絵文字リアクション
Slackのチャットでも絵文字が使用できますが、そのなかでも特徴的なものとして、絵文字リアクションがあります。
絵文字リアクションとは、文字通りメッセージに絵文字でリアクションすることですが、単に絵文字で返信するということではなく、たとえばSNSのようにメッセージに「いいね」などの意味合いで絵文字を追加できるのです。
また、絵文字はユーザーで独自に追加することもできます。
通話と画面共有
Slack上で、音声通話やビデオ通話を行うことができます。
また、画面共有を行い、共有された画面上に書き込みができるため、チームメンバーとのディスカッションや共同作業を、リモートでもスムーズに行えます。
ただし、あくまでチャットツールに付随する通話機能となるため、大規模なWEB会議には向きません。
その場合は、専用のWEB会議アプリを使うほうが好ましいです。
しかしそういった点をカバーするように、SlackではZoomやGoogle MeetなどのWEB会議アプリケーションとの連携ができ、Slack上からアプリケーションを起動できるため、複数のツールをまたぐような場合でも、ほとんどストレスを感じることなく使えます。
チャンネル
Slackを利用するうえで、欠かせないのがチャンネル機能です。
チャンネルとは、プロジェクトやトピック、チーム別など、あらかじめテーマを設定した専用のチャットスペースで、情報の集約と関係者への共有を円滑にすることを目的としています。
Slackでは、メンバーが個人同士でやりとりを行うDM(ダイレクトメッセージ)はもちろん利用できますが、基本的にはチャンネル上でのやりとりを推奨しています。
チャンネルには、メンバー全員が閲覧・参加が可能な「パブリックチャンネル」と、招待されたメンバーだけの「プライベートチャンネル」の2種類があり、やりとりの内容に応じて使い分けます。
ワークフロービルダー
ワークフロービルダーとは、Slack上で利用できる定形作業の自動化プログラムをノーコードで作成できる機能です。
たとえばテレワークになり、毎日の出勤時間と退勤時間を報告しているような場合、ワークフロービルダーを使えば、出勤あるいは退勤時に、ワークフローから起動できる入力フォームから、打刻ができるのです。
それにより、Slackのチャンネルへの報告はもちろんのこと、Googleスプレッドシートと連携することで、打刻時間を出勤簿などへ記録する作業を自動化できます。
プログラム言語の知識がなくても、こういったプログラムを組めるため、アイディア次第で、誰でも身の回りの業務を効率化・省力化が可能となります。
アプリケーション連携
Slackは非常に多機能なチャットツールですが、もちろんSlack単体では完結しない場合もあります。
そこでSlackには、他のアプリケーションとスムーズに連携する機能が備わっており、連携できるアプリケーションは多岐に渡ります。
以下が代表的なアプリケーションの例となり、この他にも多数あるため、アプリケーションの使い分けを意識することなく、Slackを中心に業務を進められるでしょう。
カテゴリ |
連携できるアプリケーション例 |
メール・カレンダー |
Outlook, Gmail |
クラウドストレージ |
OneDrive, Googleドライブ, Dropbox, Box |
WEB会議 |
Zoom, Skype, Google Meet, Microsoft Teams |
カスタマーサポート |
Zendesk |
顧客管理 |
Salesforce |
その他 |
Twitter, Evernote |
実際に連携してどのように利用できるかは、各アプリケーションによります。
たとえば、メールをSlackに転送する、カレンダーであれば会議の通知をSlackに送る、クラウドストレージからファイルをSlackに追加するなど、情報をSlackに集約できるのです。
メールよりSlackを使う理由
さてここからは、先に述べたSlackの機能を踏まえ、メールと比較してSlackがどのように業務において優れた効果を発揮するのか、という点についてお話していきます。
チャンネルによる関連情報の集約
何通ものメールにまたがって展開されるプロジェクトの関連情報は、Slackであればそのプロジェクトのチャンネルに集約されています。
いくつものメールを開いて確認する代わりに、チャンネルを遡れば過去からの情報をすぐに見つけることができます。
CCの追加漏れを心配しなくていい
CCに入っていないというだけで、そのプロジェクトの関連情報を見逃す恐れのあるメールでは、とにかく・念のためという理由で、あらゆる関係者をCCに入れがちです。
その反対に、関連度が高いにも関わらず、CCへの追加を忘れられたというだけで、プロジェクトの情報を得られなかったということも往々にしてあるでしょう。
しかしSlackなら、CCに誰を追加するべきかなどを意識せずとも、情報はチャンネル上で参加者全員が閲覧できるため、情報共有が漏れることはありません。
あとから参加したメンバーでも情報を遡れる
メールでプロジェクトの重要なやりとりがされていたら、あとからプロジェクトに参加したメンバーへ共有するために、メールを転送して共有することがあるでしょう。
Slackなら、あとからプロジェクトのチャンネルに参加したメンバーでも、チャンネルを遡れば、プロジェクトに関する情報をいつでも確認できます。
絵文字リアクションによる効率的な返信
忙しいときに、ひとまず内容を確認した旨の返信だけ先にしたい場合は、絵文字リアクションが便利です。
絵文字はユーザーが独自に追加できるので、あらかじめ「了解」や「既読」などの文字を絵文字として登録しておきます。
そして絵文字の登録が済んでしまえば、「了解しました」「確認しました」などをメールで書くよりも早く、それらの絵文字をワンクリックするだけで、その旨を相手に伝えられます。
儀礼的な挨拶文を書かなくていい
Slackでは、メール1通送るたびに繰り返される「お疲れ様です」「お世話になっています」「よろしくお願いします」のような儀礼的な挨拶は不要です。
チャットという性質上、すぐに本題を始めても違和感がなく、簡潔で迅速なコミュニケーションを可能とします。
結局、Slack?メール?どちらを使うべき?
ここまで5つの観点から、Slackがメールよりも優れている点を述べました。
社内での業務連絡やコミュニケーションに必ずしもメールを使う必要はなく、Slackのようなビジネスチャットツールを利用することで、メールで行っていたときよりも情報共有の効率化やコミュニケーションの円滑化を図ることができます。
また、メールにはない機能で、メールではできなかった業務フローを構築することも可能です。
しかしながら、Slackはメールを完全に駆逐するものではなく、メールが必要な場面も出てくるでしょう。
あくまで従来のメールを中心とした社内コミュニケーションをSlackに置き換え、メールもSlackと連携するサブツールのひとつと考えるとうまくいきます。
社外メンバーとのコミュニケーションは?
今回は社内でのやりとりを中心に取り上げましたが、社外メンバーとのやりとりにもSlackは活用できます。
具体的には、自社のSlackに特定のチャンネルのみ期間限定で参加できるゲストとして招待する方法や、相手も有償のSlackを利用している場合は、双方のSlack間でチャンネルを共有して使う方法があります。
そしてもちろん、社外メンバーとのやりとりにも、アプリケーション連携やワークフロービルダーなどのSlackの高度な機能を使用できるので、普段の業務効率を落とすことなく仕事が進められます。
馴染みの顧客やベンダーであれば、メールよりもSlackのほうがスムーズにコミュニケーションがとれるでしょう。
この社外とのコミュニケーションについては「Slackコネクト」という機能で提供されており、詳細は別の機会で取り上げる予定です。
Slackのライセンス費用とプラン比較
Slackには、大きく分けて無償版と有償版があり、有償版でも利用できる機能によってプランが別れています。
大まかなプランの機能比較は以下になります。
機能比較
|
フリー |
プロ |
ビジネスプラス |
無料 |
1ユーザー ¥850 /月(年払い) |
1ユーザー ¥1,600 /月(年払い) |
|
メッセージへのアクセス |
最大10,000件
まで
|
無制限 |
無制限 |
アプリケーションの連携 |
最大10個まで |
無制限 |
無制限 |
ワークフロービルダー |
✕ |
◯ |
◯ |
Slackコネクト |
✕ |
◯ |
◯ |
チャンネルの投稿権限設定 |
✕ |
#general チャンネルのみ |
すべてのチャンネル |
SAMLベースの シングルサインオン |
✕ |
✕ |
◯ |
メッセージのエクスポート |
✕ |
✕ |
|
ユーザーの |
✕ |
✕ |
◯ |
プロとビジネスプラスの大きな違いは、シングルサインオン、メッセージのエクスポート、AzureADやGSuiteとのユーザー同期(自動プロビジョニング)機能の有無などが挙げられます。
この他にも、大規模で複雑な組織構成をもつ企業向けとして「Enterprise Grid」プランが用意されており、費用は個別に見積もりが必要です。
本記事では詳細を割愛しますが、「Enterprise Grid」については以下のSlack公式サイトから確認できます。
❖ Slack Enterprise Grid 入門
(https://slack.com/intl/ja-jp/resources/why-use-slack/slack-enterprise-grid)
まとめ
さて、ここまでSlackの機能やメールとの比較について紹介しました。
Slackの特徴を大まかにまとめると以下のようになります。
➔ Slackはビジネス向けのチャットツール
➔ WEB版とアプリケーション版でデータが同期されているのでシームレスに使用可能
➔ 会話はチャンネルと呼ばれるテーマごとの専用スペースで行う
➔ 社外メンバーとも同じようにチャットでコミュニケーションができる
➔ ファイル共有や通話などの基本機能のほか、他アプリケーションとの連携で
機能の拡張が可能
➔ 定形作業を自動化するプログラムをノーコードで作成できる
メールコミュニケーションに慣れてきたなかで、Slackという新しいツールを導入するメリットについて、懐疑的に感じることは不思議なことではありません。
たしかに、単にメールでのコミュニケーションのやり方をそのままSlackに移しただけでは、そのメリットを十分に感じることはできないでしょう。
しかし、あくまでチャットツールであるという利点や、メールにはない豊富な機能、他のアプリケーションとの連携など、Slackを使いこなせばこなすほど、本業ではないことにロスしていた時間や工数が減少していくのを感じられるのです。
また、メールが完全になくなるわけではなく、Slackを中心とした業務フローのなかにメールもSlackと連携できる機能のひとつとして内包することで、業務の効率はさらなる拡がりを見せていくでしょう。
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※この記事は、公開時点の情報をもとに作成しています。