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SD-WANって実際どうなの? メリットや注意点をみんながわかるように解説!

最近よく聞くようになったSD-WAN。

SD-WANが何を実現できるか、なんとなくご存知の方もいると思いますが、あらためてメリットやデメリット、どのような企業への導入が向いているのかについて、整理いたしました。

まず先にこれだけは言っておきます。
SD-WANって難しくないんです!

目次[非表示]

  1. 1.SD-WANとは
  2. 2.SD-WANのメリットは?
    1. 2.1.ネットワーク構成に関すること
    2. 2.2.ネットワーク管理者に関すること
    3. 2.3.コストに関すること
  3. 3.SD-WANの注意点は?
    1. 3.1.ネットワーク構成変更は一大イベント
    2. 3.2.セキュリティ対策への考慮が必要
    3. 3.3.SD-WANの導入が向かないケースも
  4. 4.まとめ

SD-WANとは

まずSD-WANそのものについて簡単にふれておきます。

SD-WANとはSoftware Defined Wanの略で、簡単にいうと「ソフトウェアでネットワークを一元管理し、通信経路をコントロールする技術」です。

昨今、Google workspace、Microsoft365、SlackやSalesforce、Zoomなど世の中にはさまざまなクラウドサービスが開発され、あらゆるサービスがインターネットを中心に展開されています。

あらゆるアプリケーションのクラウドサービス化で便利になっている一方、ここ最近、企業のIT担当者を悩ましているのがネットワーク遅延問題です。

「ネットワークに繋がらない」
「web会議で映像や音声がぶつぶつ切れる」
といった従業員からの問い合わせに頭を抱えている方も多いかと思います。

クラウドサービスの普及により、インターネットへの通信経路が混雑してしまい、ネットワークスピードが落ちてしまうというのが上記のような問題の原因です。

こういった問題を解決する選択肢の1つがSD-WANです。

たとえば以下のようなことができます。

  • Zoomの利用は、直接インターネットへアクセスさせよう
  • Microsoft365を利用するときも直接でいいかな
  • 基幹システムへのアクセスはこれまで通りの通信経路にしよう
  • 〇〇支店はクラウドサービスしか使っていないから本社を経由させなくても大丈夫

このように、特定のアプリケーションはこれまでの通信経路ではなく、直接インターネットへアクセスさせることで、通信経路での混雑問題が解消されます。

これがSD-WANの“インターネットブレイクアウト”という技術ですが、他にもSD-WANには多くのメリットがあります。


SD-WANのメリットは?

SD-WANのメリットを大きくカテゴリ分けすると以下の3点となります。

◆ネットワーク構成に関すること
◆ネットワーク管理者に関すること
◆コストに関すること

今回は上記3点の、中心となるポイントについて解説します。


ネットワーク構成に関すること

▽インターネットブレイクアウト

「1 SD-WANとは」で直接インターネットへアクセスするとご説明しました。これを実現可能としているのがインターネットブレイクアウトという技術です。

支店ごとに通信経路を設定できるため、通信の一極集中(よくある例は本社)を避けることができ、通信の負荷分散ができます。

▽アプリケーションレベルでのルーティング設定

インターネットブレイクアウトにより、特定の支店から直接インターネットに接続することが可能となり、SD-WANではアプリケーションレベルでどのような通信経路を使用するかも選択できます。

Windows10の定期アップデートも、直接インターネットへ接続する対象として検討されることが多いです。

理由はZoomやMicrosoft365と同じで、これらの通信を監視する必要性がないと考える企業が多いためです。


ネットワーク管理者に関すること

▽ゼロタッチプロビジョニング

SD-WAN導入時、拠点に専用のデバイスを設置することになり、クラウド上でコンフィグを作成・管理するため、現地では電源を入れれば後は管理者がリモートで設定ができます。

これがゼロタッチプロビジョニングという機能です。

今までのように、ネットワーク機器の設定目的で、わざわざ出張に行かなくても、電源を入れるだけなら現地社員が対応できるようになり、時間とコストの節約につながります。

▽トラフィックの可視化

また、ゼロタッチプロビジョニングを活用して設置したデバイスや本社に設置しているデバイス含め、すべてのネットワーク情報は管理コンソール(管理者画面)で閲覧できます。

実際にどの支店でどれくらいの通信量が発生しているのか、どのアプリケーションの通信量が多いのか、といったことをリアルタイムで確認できるため、ネットワーク遅延の問題が発生した時に原因をスピーディーに特定する手がかりになります。


コストに関すること

▽回線コスト削減

さらにSD-WANの導入により、回線コストを削減できる可能性があります。

インターネットブレイクアウトを実現するためには、インターネットへ直接接続させるための新しいインターネット回線を契約する必要があります。

しかし、これまで本社と支店でセキュアなインターネット接続を行うために必要だった、高額な専用回線ではなく、安価なインターネット回線を使用することもでき、トータルでみれば回線コストが下がる場合があります。

SD-WAN導入後に冗長構成を維持するため専用回線を一部残す場合でも、片方の回線を安価なインターネット回線にすることでランニングコストを抑制できる可能性があります。

▽管理工数削減

上記の回線コスト削減に加えて、IT担当者によるネットワーク管理工数も削減できます。

従来だとネットワーク機器を個別に管理する必要がありましたが、クラウド上にある管理コンソールで一元的に運用管理ができるため、わずらわしい管理から解放されます。

管理者は、このコンソールにアクセスしてコンフィグ作成や投入を行うことも可能です。

このように、SD-WAN導入のメリットをまとめてきましたが、逆に、導入をご検討されるにあたっての注意点や懸念事項はあるのでしょうか?


SD-WANの注意点は?

SD-WANの導入される際によく検討されなければならない注意点を以下の3点に絞ってご説明します。

◆ネットワーク構成変更は一大イベント
◆別途セキュリティ対策が必要
◆SD-WANの導入が向かないケースも


ネットワーク構成変更は一大イベント

これが一番大きなポイントだと考えます。

SD-WANの導入にあたり、既存のネットワーク構成や使用しているアプリケーションの可視化、予算取り、ベンダー選定、検証、本番環境への切替えとやらなければならないことは多岐にわたります。

また、日本は製造業を軸とする企業が非常に多いですが、工場が24時間365日で稼働している場合、

・検証段階および本番作業においてネットワークを止めることができるのか?
・止められない場合はどのような代替案で進めるのか?

といったことも確認する必要があります。

いずれにせよ、さまざまな項目を段階的に確認していく必要があり、具体的に検討開始の期間を含めるとプロジェクト期間としては1年を超えるケースがほとんどです。

導入の検討時には、打ち合わせ回数も増え、見積を確認する時間も必要になります。

ベンダーからの提案内容が妥当なものかを判断するために、SD-WANに関する情報収集も必要になるでしょう。

そのほか、プロジェクトチームの編成が必要だったり、時間を捻出するために現状のオペレーションを変更するなどの対策も検討した方がいいです。


セキュリティ対策への考慮が必要

また、SD-WANを導入する際は、専用回線を縮小する、もしくは撤廃するケースが多いため、回線コストを削減できる可能性があることはメリットで紹介しましたが、インターネット回線は専用回線に比べるとセキュリティの質は劣ります。

そのため、自社のセキュリティ要件について、導入を検討しているデバイスの機能だけで十分なのか、他のセキュリティツールと組み合わせる必要があるのかをしっかりと確認しなければなりません。


SD-WANの導入が向かないケースも

拠点数が少ない企業や、すでにクラウドサービスの利用がほとんどで、あまりサーバやネットワーク機器を抱えていない企業は、SD-WANのメリット最大限に活かすことは難しいです。

また、SD-WANで回線費用等のランニングコスト削減については期待できますが、ネットワーク切替作業やHW調達といった初期費用が掛かりますので、その点も忘れないようにしなければなりません。


まとめ

SD-WANのメリットや注意点について解説してきましたが、ポイントを凝縮してメリット、注意点をそれぞれ3つずつまとめたのが以下の表です。

メリット
注意点
ネットワークの負荷分散を実現できる
ネットワーク構成変更は本当に大変
ネットワークの一元管理が可能となる
セキュリティ対策も考えなければならない
回線コストと管理者工数の削減ができる
SD-WAN導入が向かないケースもある

ネットワーク更改は大きなプロジェクトとなるのでIT管理者にとっては大変ですが、SD-WAN導入でユーザー側だけでなく、IT管理者にとってもメリットはたくさんあります。

新しい技術だから不明点が多い、経営層がITインフラ基盤部分に関するクラウドサービスの利用に前向きではないという声もありそうですが

  • クラウドサービスの利用増加によるネットワーク遅延を解消して、ユーザー満足度を向上したい!
  • 拠点数が多いため、ネットワークの個別管理から解放されたい!
  • ランニングコストを削減するよう経営層から指示が出ている。
  • IT担当者が少ないので、少しでもオペレーションを簡単にしたい!

などのお悩みを抱えている場合、SD-WANの検討をはじめる、よいきっかけになるのではないでしょうか?


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※この記事は、公開時点の情報をもとに作成しています。

仙代
仙代

首都圏営業本部の営業を担当。 2021年からアイエスエフネットのSD-WANプロジェクトチームにも参加することになり、リードの獲得や提案活動に奔走している。

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