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エンジニア派遣と正社員の徹底比較!採用者にとってのコスパは?それぞれのメリットは?

エンジニア派遣と正社員の徹底比較!採用者にとってのコスパは!?それぞれのメリットは!?

『エンジニア派遣を利用するメリットってあるの?』
『正社員よりもコスパが悪いのでは・・・』

IT技術の発展は著しく、あらゆる業界でIT活用が進んでいますが、それらに対応できる人材は市場に出回っておらず、エンジニアの確保は多くの企業で課題となっています。

エンジニアの確保を検討するにあたって、恐らく、多くの企業では正社員エンジニア採用を目指しているのではないでしょうか?
しかしながら、転職市場にお目当ての技術スキルを持ったエンジニアが出回っていないため、派遣エンジニアの検討を始められ、冒頭のような疑問を持たれているのでは無いかと思います。

「正社員での採用と派遣エンジニア、どちらが良いのか?」
もちろん一概には言えませんが、市場にエンジニアが出回っていない現状、スピーディーな採用、コストパフォーマンスの点においては、エンジニア派遣サービスを活用した方が優れているでしょう。

この記事では、エンジニア確保のために悩まれている情報システム部門の皆さま向けに、正社員採用とエンジニア派遣について徹底的に比較、解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.エンジニア派遣とは?
  2. 2.エンジニア派遣と正社員採用の違い
  3. 3.エンジニア派遣と正社員採用それぞれのメリット/デメリット
  4. 4.まとめ

エンジニア派遣とは?

まず、エンジニア派遣とは、エンジニアを正社員ではなく、派遣契約で採用する形式を指します。
派遣契約にも種類があり「有期雇用社員の派遣」「無期雇用社員の派遣」に大別されます。

雇用する側からすれば、成果さえ出してくれればどちらでも構わないというのが本音でしょうが、知っておいた方が良い法律上の仕組みもあるため、ここでおさえておきましょう。
 
*有期雇用社員の派遣

有期雇用社員のエンジニア派遣を活用する側としておさえておかなければならないのは、以下の二点です。
・期間制限
・どんな人が有期雇用派遣を望むのか

・期間制限
有期雇用の派遣労働者は3年を超えて同じ事業所で働いてはならないという、通称“3年ルール”という決まりがあります。
3年ルールには、事業所単位と個人単位がありますので注意が必要です。

これは、2015年の労働者派遣法の改正により、法律で定められている事項となるため、遵守しなければなりません。
3年を超えて派遣エンジニアを活用したい場合、該当エンジニアと合意の上、直接雇用に切り替える必要があります。

・どんな人が有期雇用派遣を望むのか
次に考える必要があるのは、どんな人が有期での派遣を望むのかということです。
有期雇用社員派遣で一番メジャーな形式は登録型派遣です。

登録型派遣をエンジニアの観点から見た時に感じるメリットは、「好きな時に好きなだけ、自分のやりたい仕事ができる」ことではないでしょうか。
つまり、働き方やキャリアビジョンなど自分自身をしっかりと持っている方が選ぶ働き方だということです。

そのため、雇用する立場としては、短期間のプロジェクトでスキルマッチするエンジニアを求めている場合には非常に重宝する存在になると言えますが、一方で長期間にわたって活躍するエンジニアを求める場合はあまり適さない契約形態と言えるでしょう。
 
*無期雇用社員の派遣

無期雇用社員の派遣とは、エンジニアが派遣会社と雇用契約を結び、派遣先となる企業で業務に従事する形式です。
一般的には正社員派遣、一昔前までは“特定派遣”とも言われていた形態が主流です。

無期雇用社員の派遣に関しては、有期雇用の場合と違い期間制限はありません。
また、派遣先との契約が無い段階でも雇用主からエンジニアへ給与が支払われるため、エンジニアの就業先は、有期雇用の場合と比べて、エンジニアの意思だけではなく、雇用主の思惑も加わることが一般的です。

雇用する立場からは期間制限が無いため、長期で活躍する エンジニアを求めている場合により強みを発揮する契約形態だと言えるでしょう。


エンジニア派遣と正社員採用の違い

では、エンジニア派遣と正社員採用の主な違いはなんでしょうか。
大きく分けると以下3点があげられます。

*給与/福利厚生
*業務内容/範囲
*人事異動

 
*給与/福利厚生
まず1点目として給与や福利厚生など、待遇面の違いが挙げられます。
正社員の場合、所属している企業が直接エンジニアへ給与を支払いますが、派遣エンジニアは派遣元企業に属しているため、派遣先企業から給与を受け取ることはありません。

また、正社員に対しては昇降格や人事異動など給与以外でも業務に対する評価を行うことが可能ですが、派遣エンジニアに対しては契約延長の可否もしくは、契約金額の見直しでしか評価を伝えることはできません。

そのため派遣エンジニアが優秀で、より長期間活躍して欲しい場合には、契約金額を定期的に見直していく必要があります。

福利厚生についても派遣元の規定に依存します。
ただし「オフィスのウォーターサーバーの利用OK」「コーヒーサーバーや社員食堂の利用可」などのように、派遣エンジニアにも一定の許可をしている企業もあるため、派遣エンジニアに対する福利厚生は、エンジニアを受け入れる前に検討しておく必要があるでしょう。
※給食施設、休憩室、更衣室などの福利厚生施設については派遣エンジニアへの利用機会を与える義務があります(労働者派遣法第40条第3項 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=360AC0000000088)

 
*業務内容/範囲
2点目の違いは、業務内容と範囲です。
ジョブ型雇用を制度として取り入れている企業以外では、正社員に対して業務内容を明確に提示していることは多くないでしょう。
そのため、業務内容や範囲がある種あいまいなまま、従事してもらっているケースが大半と言えます。

一方で派遣契約の場合、派遣元企業と派遣先企業の間で締結される派遣契約書によって業務内容が明確に定められます。
そのため、契約書にない時間帯での勤務や業務を任せることができません。
たとえば、早朝勤務や深夜勤務の記載がない場合には、これらの時間帯に労働できなかったり、契約書内に記載のない業務を依頼できなかったりするため、契約書には業務内容を細かく記述しておく必要があります。

*人事異動
3点目は、人事異動です。
正社員であれば、人事異動により他部署への異動や、子会社、グループ会社への出向などが可能です。
しかし派遣契約の場合、契約書に記載のない部署異動は禁止されているため、人材が不足している部署があるからといって、派遣エンジニアを他部署へ異動させることはできません。

また、派遣エンジニアを子会社やグループ会社へ出向させる行為は、二重派遣に該当し派遣法で禁止されております。
他部門やグループ会社などへ異動させたい場合には、契約書を再度締結し直す必要があるため注意しなければなりません。


エンジニア派遣と正社員採用それぞれのメリット/デメリット

エンジニア派遣と正社員採用には、当然ながらそれぞれメリット、デメリットがあり、一方のメリットがもう一方のデメリットとなる構図となっております。

■エンジニア派遣と正社員採用のメリット比較

▼エンジニア派遣のメリット
エンジニア派遣と正社員採用を比較した時の派遣側のメリットとしては、以下の3点があります。
*雇用のしやすさ
*コストパフォーマンス
*即戦力人材の採用

*雇用のしやすさ
エンジニア派遣を活用するメリットは、なんといっても雇用のしやすさでしょう。
ITの現場では、仕様変更や納期の短縮、社員の退職や不具合対応など、急に人手が足りなくなることが多々起こるものです。

人材を補充するために正社員を採用し対応することも可能ですが、必要なスキルをピンポイントに持ち合わせているエンジニアが採用市場にいる確率は低いでしょう。
その点、派遣エンジニアであれば、求めるスキルを持つ人材をピンポイントで採用できる可能性があるため、急な人手不足に対応しやすいというメリットがあります。

*コストパフォーマンス
2点目のメリットとして、コストパフォーマンスが挙げられます。

エンジニアに限らず、人材採用に掛かるコストは、採用媒体にかかるコストや、人材紹介エージェント利用時の紹介フィー、採用部門の設置コストなど非常に多岐に渡り、膨大なコストが掛かります。
また、入社後も福利厚生にかかるコストや各種保険料、教育コストなど費用が多く発生します。

一方で派遣を含めたアウトソーシングを採用した場合、採用に割くコストが無くなることはもちろん、福利厚生においても派遣元企業に依存するため、派遣先企業で手続きする手間がないことや、教育に割く時間も不要であるため(※)、トータル的なコストパフォーマンスに優れていると言えます。
※原則、派遣先は派遣労働者に対して教育訓練の義務がありますが、既に派遣労働者が業務に必要な能力を有している場合は教育訓練は不要となります。(労働者派遣法第40条第2項 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=360AC0000000088)

また、もし仮に採用した人材の人柄や技術スキルでのミスマッチがあった場合にも、正社員採用においては、日本型雇用の場合、簡単に雇用を終了することは難しいですが、エンジニア派遣の場合は、契約期間で契約を満了することが可能なため、ミスマッチ人材採用時のコストも最小限におさえることが可能です。

※アウトソーシングとBPOの違いについて詳しくはこちら

*即戦力人材の採用
雇用のしやすさにも通じますが、即戦力エンジニアを採用できることも派遣のメリットのひとつです。
即戦力の派遣エンジニアは、必要な技術力を提供してくれるだけではなく、様々な企業のプロジェクトに参画しているため、自社にはない手法や管理方法を持っていることも多く、新しいナレッジを取り入れることができる可能性もあります。
スキルの高いエンジニアの働き方を見ることで、自社の社員にとっても良い刺激になるでしょう。

一方で、即戦力のエンジニアを中途採用市場で見つけてくるのは至難の業です。
特に、流行りの技術を持っているエンジニアを正社員で中途採用しようとするのは、極めて困難と言えるでしょう。
仮に運よく採用できたとしても、そのエンジニアが持っている技術力が何年後まで使える技術かはだれにも分かりません。
それくらい今の技術は日進月歩で進化し続けています。

そのため即戦力、特に流行りの技術に関しては派遣エンジニアを活用することが量の面でも質の面でも勝っていると言えるのではないでしょうか。

▼正社員採用のメリット
 一方で正社員採用側のメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
*中長期的な人材戦略
*ナレッジ/ノウハウの蓄積
*希望する人材の採用

 
*中長期的な人材戦略
正社員採用の一番のメリットは、中長期的な人材戦略でしょう。
日本では一般的に正社員として採用した人材は、長期間の雇用が前提となっているため、中長期を見越した人材活用の戦略をたてることが可能です。
つまり、新しく入社した人材の5年後、10年後を見越した育成を行うことができるということです。

派遣契約の場合は基本的に派遣契約で締結された期間しか働くことができません。
そのため、人材の戦略はどうしても短期的なものになりがちです。
優秀な人材を目の当たりすると「もっとうちの会社で働いて欲しい」と感じてしまいますが、有期雇用の場合はそもそもの契約期間が明確に定められており、無期の場合でも派遣元の人材戦略にどうしても依存してしまうこととなってしまうのです。

*ナレッジ/ノウハウの蓄積
正社員採用時の2点目のメリットは、ナレッジやノウハウの蓄積のしやすさでしょう。
もちろん、派遣エンジニア活用時にも業務ナレッジやノウハウの蓄積自体は可能です。
しかしながら、派遣社員の業務内容は契約書に縛られてしまうため、それ以上のことを求めることはできません。

とはいえ、どのような職場環境であっても、急な離職を100%回避することは不可能である以上、属人化を回避する手段として業務ナレッジ、ノウハウは蓄積しなければならないため、それを行えるような環境、仕組みを作っておくことができれば、この問題は回避可能です。
 
*希望する人材の採用
希望する人材の採用がしやすいという点も正社員採用が勝る点となります。
正社員採用をする際は、少なくても1回もしくは2回の面接や筆記試験などを経て、採用可否の判断をすると思います。

一方で派遣契約を締結時に面接を行うことは禁止されています。
そのため、いざ派遣エンジニアを参画させたら「思っていたよりも活躍してくれなかった」といったミスマッチも起こり得ます。

もちろん、面接で100%の人柄や技術スキルを判断できる訳では無いため、正社員採用で失敗するケースもあるでしょうが、総合的に見た失敗の可能性は低いと言えるでしょう。

まとめ

今回、エンジニア派遣と正社員採用を徹底的に比較してきました。

派遣エンジニアが正社員採用と比べて勝っている点は
・雇用のしやすさ:市場に出回っている数が派遣エンジニアの方が圧倒的に多い
・コストパフォーマンス:採用~教育まで考えたコストは圧倒的に安い
・即戦力人材の採用:即戦力の正社員採用は稀、今流行りの技術レイヤーは特に

の3点が挙げられます。

一方、正社員採用が勝っている点は
・中長期的な人材戦略:中長期で見た人材活用で見ると正社員採用一択
・ナレッジ/ノウハウの蓄積:ナレッジやノウハウの蓄積は正社員に分があり
・希望する人材の採用:採用面接ができる分、正社員の方がより求める人材に近い可能性

の3点です。

これらを比較した際の結論として、一般論に近くなってしまいますが、中長期スパンで見た時には正社員採用が、短期スパンで見た時にはエンジニア派遣がそれぞれの特徴を活かせると言えるため、“中長期でコアとなり得る業務には正社員を”“短期での穴埋めやノンコアと言える業務にはエンジニア派遣を”それぞれ活用するのが最適な活用方法だと言えます。

エンジニアの採用はこれまで正社員しか考えていなかった情報システム部門のご担当者の皆さまも、スピード感を持った採用をしたい場合や、期間が限定されているプロジェクトの際にはエンジニア派遣を検討されても良いのではないでしょうか。
 
エンジニア派遣を活用することで、自社になかった業務の進め方や管理方法を取り入れるきっかけになり、社員の思わぬスキルアップなど、良い刺激にもなるかもしれません。


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情シス担当兼ライター。嫌いな言葉は「インシデント」。好きなアーティストはビートルズ。夏だけサーフィンをするエセサーファーです。少しでもお客様のお役に立てるような、良質な情報を発信していきます。

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